2023/06/04

トヨタ・チーム イタリアラリー第3日目リポート

2023年6月4日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company


WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ3
大波乱の展開となった競技3日目

ロバンペラが総合3位に、エバンスが総合4位につける

6月3日(土)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニ
ア」の競技3日目デイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロ
バンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合3位に
、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位に順位を上げま
した。なお、ラリーをリードしていたセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1
7号車)はSS14で、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRID
で出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、SS8走行後にデイリタイ
アとなりました。

ラリー・イタリア サルディニアのデイ3は、サルディニア島北東部のオルビアに置かれ
るサービスエリアの南西エリアで、4本のステージを各2回走行。その合計距離は133.62
kmと、前日のデイ2に匹敵する長い一日でした。天気は、午前中は晴れ間も見られまし
たが、午後は激しい降雨があり、非常に滑りやすい路面コンディションでの厳しい戦い
になりました。

ドライバー選手権首位のロバンペラは、デイ2で終日不利な先頭スタートを担い大きく
タイムロス。それでも、雨に見舞われ路面が滑りやすくなった最後のロングステージを
最速で走りきり、総合4位にまで順位を上げました。デイ3でのロバンペラは、オープニ
ングから5本目のSS12まで安定して3、4番手タイムで走行。SS13では2番手タイムを刻み
、SS14ではオジエのリタイアにより総合3位に浮上。表彰台圏内に順位を上げて長い一
日を終えました。

デイ2でタイヤにダメージを負い総合6位に順位を下げたエバンスは、オープニングの2
ステージを5番手タイムで走行しました。しかし、続くSS10でウォータースプラッシュ
(河渡り)を通過した際、クルマにダメージを負い1分50秒程度をロス。その状態で続
くSS11も走らなくてはならなかったため、さらに40秒程度を失いましたが、それでも総
合5位を守りました。サービスパークでクルマを修理して臨んだ午後の再走ステージで
は5、7番手のタイムで走行し、オジエのリタイアもあり総合4位に順位を上げました。
そしてエバンスはデイ3最終のSS15で3番手タイムを記録。良い流れを掴んでデイ3を走
りきりました。

デイ2で首位と僅か0.1秒差の総合2位につけたオジエは、エサペッカ・ラッピ(ヒョン
デ)と激しい首位争いを展開。午前中の4本のステージが終了した時点で、総合2位のラ
ッピに18.2秒差をつけトップに立っていました。しかし、午後最初のSS12でウォーター
スプラッシュを通過した際、クルマに大きな衝撃を受け大幅にタイムロス。その影響に
より、続くSS13でも遅れをとりましたが、それでも4.3秒差で首位の座を維持しました
。その頃からステージでは強い雨が降り、路面の一部は泥に覆われ、水溜まりもできる
など非常に滑りやすいコンディションになっていました。そしてオジエは、SS14の左コ
ーナーでコースオフ。ステージに復帰することができずデイリタイアとなりましたが、
チームは明日のデイ4での再出走を目指し修理の準備を進めています。

デイ2で総合5位につけた勝田は、デイ3最初のSS8でウォータースプラッシュを通過した
際、クルマに大きな衝撃を受けてタイムロス。SS8は何とか走りきりましたが、競技を
続けることが難しい状態だったためデイリタイアとなりました。しかし、勝田はデイ4
での再出走を予定しています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

非常に難しいコンディションにより、困難な一日になってしまいました。午前中が終了
した時点で状況はかなり良かったのですが、その後天候の変化により、急激に状況が変
わってしまいました。これもラリーの一部です。過去にもこのラリーでは雨が降ったこ
とがありますが、今回のように毎日降るようなことはありませんでした。その結果、ウ
ォータースプラッシュはかつてないほど水深が深くなり、セブはそのひとつで問題を少
し抱えてタイムを失いましたが、それでもいい位置につけていました。しかしその後、
不運にも道から滑り落ちてしまったのです。このようなコンディションでは、そのよう
なミスをしやすいものです。その結果、カッレは表彰台圏内に入り、明日もポジション
を維持することができたならば、それは彼にとって非常に良いことです。チームとして
はカッレとエルフィンの2人が最後まで走りきることが重要ですが、パワーステージで
のポイント獲得も期待したいところです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

今日はいい一日でしたし、とても賢く戦うことができたと思います。今朝は、必要なと
きにいいペースを発揮することができました。昨日よりも良い出走順を確保できたので
とても順調でしたが、何人かが脱落したことで路面を少しクリーニングする役割が再び
まわってきてしまいました。午後は本当にトリッキーで、かなり使い込んだタイヤで走
らなくてはならなかったので、できる限りのことをしました。トラブルに遭遇しないよ
うにクリーンな走りを心がけ、順位をひとつ上げることができましたが、チームメイト
のトラブルによりポジションを上げるのは、決していいことではありません。明日は自
分たちのタイヤのパッケージがコンディションに合っていることを願っていますし、ど
うなるか状況を見たいと思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

長く、大変な一日でした。午前中はウォータースプラッシュの水深が予想以上に深かっ
たことに驚きました。クルマのフロント部分に大きなダメージを負ってしまい、なんと
かサービスに戻ろうと頑張りました。チームはサービスで素晴らしい仕事をしてくれて
、クルマを修理してくれました。午後は非常に難しいコンディションだったので、あま
り無理をしないで走ろうと試みました。このような状況で総合4位につけることができ
たのはラッキーですが、明日はまだかなり長い距離が残っているので、クリーンな走り
を心がけ、パワーステージで何ができるのかを考えたいと思います。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)

今朝は最初の2本のステージでペースが少し足りなかったのですが、それに続く、デイ3
最長でおそらく最も難しいステージで挽回することができました。少しでもタイムを縮
めようとハードに走ったので、リードを少し築くことができたのは良かったです。しか
し残念なことに、午後は波乱の展開になってしまいました。ウォータースプラッシュで
、フロントにダメージを負ってしまったのがその始まりで、それを直して走り続けるの
は大変でした。そして、午後3本目のステージに臨む直前、泥道でタイヤ交換をするこ
とになったのですが、ステージ開始後ブレーキペダルを踏んだ時に泥で足が滑ってしま
い、コーナーを曲がりきれませんでした。かなりアンラッキーでしたが、これもラリー
の一部です。今日のことは忘れ、前に進まなければなりません。

明日のステージ情報

競技最終日となる6月4日(日)のデイ4は、2021年大会とほぼ同じステージ設定となり
、サービスパークを起点に島北部の「コスタ・スメラルダ」エリアで2本のステージを
各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5
タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えら
れる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全4本で合計距離は46.02km。
リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は255.50kmとなります。

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2023/06/03

トヨタ・チーム イタリアラリー第2日目リポート

2023年6月3日

トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ2
本格的なグラベルステージがスタート
オジエが総合2位に、ロバンペラが総合4位につける

6月2日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニ
ア」の競技2日目デイ2が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャ
ン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)が総合2位に、カ
ッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合4位に、エルフィン・エ
バンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合6位につけました。また、TGR WRCチャ
レンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン
・ジョンストン組(18号車)は、総合5位につけています。

17号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)

ラリー・イタリア サルディニアは、デイ2から本格的なグラベル(未舗装路)ステージ
での戦いがスタート。オルビアに置かれるサービスエリアの南西エリアで3本のステー
ジを各2回走行し、その合計距離は138.04kmと4日間で最長の一日でした。ステージは、
午前中は概ねドライコンディションでしたが、一部には湿っていたり、ぬかるんでいた
りする区間もあり、午後にはまとまった雨も降りました。

デイ1のスーパーSSで総合6位につけたオジエは、デイ2オープニングのSS2でベストタイ
ムを記録し一気に首位に浮上。続くSS3は7番手タイムで総合2位に後退しましたが、今
シーズンここまで最長となる49.90kmの「モンテ・レルノ」では、2番手タイムのエバン
スに12.7秒差をつける圧巻のベストタイムを記録し、首位に返り咲きました。その時点
で総合2位のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)に16.3秒差をつけていましたが、午後の
再走ステージではややペースが上がらず、デイ2最終のSS7でラッピに逆転を許し総合2
位に。しかし、ラッピと僅か0.1秒差につけています。

ドライバー選手権首位のロバンペラは、1番手スタートという不利な出走順により、午
前中のステージで大きくタイムをロス。特に、最長ステージのモンテ・レルノの1回目
の走行では、ベストタイムのオジエに40.2秒という大きな遅れをとり、総合8位で午前
中を終えました。しかし、午後は降雨により路面が湿り、出走順1番手の不利が若干緩
和されることに。ロバンペラは、1回目の走行で大きく遅れたモンテ・レルノの再走ス
テージでベストタイムを記録し、総合4位に順位を上げてデイ2を締めくくりました。

エバンスは、朝最初の2ステージでは9番手タイムでしたが、最長のモンテ・レルノでは
オジエに次ぐ2番手タイムを記録。総合4位に順位を上げました。さらに、午後のSS5で
は総合3位につけましたが、SS7の最後でタイヤから空気が抜けたことにより40秒程度を
ロス。総合6位に順位を下げました。

勝田は、SS2で4番手タイムを記録した後、SS3でベストタイムを記録。総合3位に順位を
上げました。しかし、SS4ではコーナーを曲がりきれず20秒程度を失い、総合5位にダウ
ン。午後はSS6で3番手タイムを刻むなど速さを見せ、総合4位ロバンペラと1.3秒差の、
総合5位でデイ2を走りきりました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

今日は前半、後半の二部構成の試合のようでした。午前中はチームとして非常に強く、
予想以上の強さを発揮しました。しかし、午後はライバルが巻き返して強さを示しまし
た。それでも、金曜日が終わった時点でこのような状況にあることにとても満足してい
ます。セブのおかげで、首位と僅か0.1秒差と、優勝争いに向けて非常に良いポジショ
ンにつけています。カッレは出走順が1番手で路面をクリーニングしなければなりませ
んでしたが、終盤の滑りやすいコンディションでは今回もまた別格の速さを発揮し、表
彰台を狙える位置につけています。エルフィンもいい仕事をしていたのですが、運悪く
最後にパンクを喫し少しタイムを失ってしまいました。また、貴元がステージでベスト
タイムを記録し、総合5位につけているのは素晴らしいことです。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

全体的にはとても良い一日でした。今朝の最初の2ステージは悪くなかったと思います
。路面は少し湿っていて、予想していたよりは路面の掃除が少なくて済み、タイムロス
も抑えられました。しかし、モンテ・レルノの路面は結構乾いていて、タイムをかなり
失ってしまい、多くのアクションもありました。午後は、2回目の走行だったにも関わ
らず依然トリッキーで、自分たちよりも前に走行した小さなクルマが刻んだ走行ライン
が、全く合いませんでした。しかし、最後のモンテ・レルノで雨が降り出したので、懸
命にプッシュし続けました。自分は雨やぬかるんだコンディションではいつも楽しんで
走ることができているので、少しタイムを取り戻すことができました。明日はもっとい
い出走順で走れるので、さらにプッシュするつもりです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

モンテ・レルノのステージに向けてクルマを良い状態に保つため、午前中は、石が多く
転がっているようなトリッキーなステージではクリーンな走行を心がけました。結果的
にモンテ・レルノでもクリーンに走ることができ、派手さはなかったですが、全てをう
まくマネージメントすることができ、トラブルなく最後まで走りきり総合順位を上げる
ことができました。午後は路面がかなり荒れていて非常に難しく、1本目のステージは
問題なかったのですが、2本目でかなり遅れてしまいました。そして、残念ながら3本目
のモンテ・レルノの終盤でパンクをしてしまい、タイムをかなり失いました。それでも
、前方の選手たちとの差はそれほど大きくないですし、オィット(タナック)選手がす
ぐ後ろに迫っているので、まだまだ戦いは続きます。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)

今日一日の自分の戦いと、順位に満足しています。今朝最初のステージとモンテ・レル
ノでは、自分と他の選手たちのタイム差に驚きましたが、クルマの調子が良く、タイヤ
の選択も正しかったので、午前中は速く走ることができたのだと思います。午後は少し
苦労しましたが、それでも悪くはありませんでした。ドライビングには満足しています
が、自分がサービスで下した判断には、やや不満が残ります。タイヤの選択とセットア
ップを少し見誤ってしまったからです。それでも、滑りやすいコンディションのなか、
リスクを冒すことなく、特に大きな問題もなく走ることができました。まだ優勝争いが
できる位置につけていますし、タイム差も非常に小さいので、明日はまたプッシュする
つもりです。

明日のステージ情報


競技3日目となる6月3日(土)のデイ3は、オルビアのサービスパークを中心に、4本の
ステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は133.62
kmと、デイ2に匹敵する長い1日です。また、デイ2よりもさらに西側のエリアが主舞台
となるため、リエゾン(移動区間)距離は426.80kmと長く、ステージとの合計走行距離
は560.42kmに達します。

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WRC:Rd.6:イタリアラリーDay2結果(SS.7/19)

N0. Driver Nat. Car Class Time(Dif.)
1 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 RC1 1h31'48.8
2 S.オジエール FRA Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'00.1
3 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 RC1 -00'18.6
4 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'46.1
5 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'47.4
6 E.エヴァンス GBR Toyota Yaris Rally1 RC1 -01'05.6
7 O.タナク EST Ford Puma Rally1 RC1 -01'09.8
8 S.パヤリ FIN Skoda Fabia R5 RC2 -03'48.5
9 A.フォアマウクス FRA Ford Fiesta Mk2 RC2 -03'54.8
10 E.リンドホルム FIN Skoda Fabia RS RC2 -04'01.6
11 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo RC2 -04'04.4
12 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 RC1 -04'53.2
13 M.マルシズク POL Skoda Fabia R5 RC2 -04'53.2
14 Y.ロッセル FRA Citroen C3 RC2 -05'01.7
15 K.カゼタノビッツ POL Scoda Fabia RS RC2 -05'22.1
    総合 58位まで確認

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2023/06/02

トヨタ・チーム イタリアラリー第1日目リポート

2023年6月2日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

 

WRC 第6戦 ラリー・イタリア サルディニア デイ1
サルディニア島北東部のオルビアでラリーがスタート
ロバンペラが総合5位に、チーム4台目の勝田は総合4位につける

 

6月1日(木)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」が開幕。
オープニングとしてサルディニア島北東部のオルビアで1本のスーパーSSが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合6位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合8位につけました。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合4位と好調なスタートを切りました。

 

今シーズン、第5戦ラリー・ポルトガルが終了した時点で、GR YARIS Rally1 HYBRIDは4勝を記録。
そのうち、グラベル(未舗装路)イベントでは、第3戦ラリー・メキシコでオジエが優勝、第5戦ラリー・ポルトガルではロバンペラが優勝しました。
そして迎えた第6戦ラリー・イタリア サルディニアは、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島を舞台とするグラベル・ラリーです。
開催20周年となる今回、サービスパークは島北東部のオルビアに置かれ、初日の1日(木)は午前中に2.87kmのシェイクダウンが行なわれ、3番手タイムのオジエがTGR-WRTでは最速でした。

 

夕方6時過ぎからは、オルビアの郊外でスーパーSSが1本行われ、オルビア市街地の道と、ハイスピードなグラベルセクションの両方を走行する3.20kmのミックスサーフェスステージ(舗装路と未舗装路が含まれるステージ)で、4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブする勝田がチーム最上位の4番手タイムを記録。
ベストタイムのエサペッカ・ラッピとは0.9秒差でした。
そして、勝田と0.3秒差の総合5位にロバンペラが、0.4秒差の総合6位にオジエがつけ、エバンスは首位と2秒差の総合8位で初日を走り終えました。

 

 

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

 

オルビアのファンの皆さんのために、ハイスピードなセクションや大きなジャンプが設
けられたこの素晴らしいスーパーSSでラリーをスタートすることができて、嬉しく思い
ます。我々のドライバーたちはミスをせず、タイムも拮抗しているので、重要な明日に
向けて準備は万端です。現時点で明日の天気がどうなるのか読めず、この大会ではあま
りないことですが、雨が少し降る可能性もありそうです。もしそうなれば、出走順に関
して我々のドライバーたちの助けになるでしょう。明日は約50kmのモンテ・レルノのス
テージもあり、それをいかにうまくこなすかが、この週末に良い結果を得るための、ひ
とつの鍵になると思います。

 

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

 

オルビアの最初のステージは、グラベル路面を走ったり、街中を走り抜けたりと、とてもいいステージでした。
いつものように、ファンの皆さんにとっては見応えのあるショーになったと思います。
午前中のシェイクダウンで最初に走行した時は、予想通り路面は滑りやすかったですが、少なくとも今週降った雨により少しは楽になりました。
明日は、今大会最も長い一日で、なおかつ最長のステージを出走順一番手で走行するため、我々にとって大きなチャレンジになることは間違いありません。
何とか問題なく乗り切り、最終的に上位に食い込めるかどうかを確認したいと思います。

 

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

 

今夜は、ラリーのスタートとしてはとてもいいステージだったと思います。
このようなドーナツターンが含まれるスーパーSSでは、タイヤに負担をかけ過ぎないように気をつけなければなりませんが、私たちはそれを楽しみ、観客の皆さんに良いショーをお見せしようとしました。
この週末は様々な天候が予想されるため、タイヤを正しく選び、ソフトタイヤの配分を上手く管理することが、非常に重要な鍵を握ると思います。
この先、かなり荒れた厳しいコンディションが待ち受けていますが、それを攻略することが楽しみです。
シェイクダウンはこのラリーを代表するようなステージではありませんでしたが、全てがうまく機能していることを確認するいい機会になり、ここまでのところ全てにおいて満足しています。

 

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)

 

オルビアのこのステージを走るのは今回が初めてでしたが、市街地で行われるオープニングステージとしてはかなり素晴らしいもので、未舗装路と舗装路の両方を走行し、大きなジャンプもあったので、とにかく愚かなミスをしないように集中して臨む必要がありました。
もちろん、本当の勝負は明日からです。
天候もタイヤ選びも難しくなりそうですし、ステージは荒れたセクションやトリッキーな場所が多くある、とても厳しいものです。
今朝のシェイクダウンでは全ての準備が整っていることを確認できましたし、私自身も良いフィーリングを感じています。
まず最初の目標はトラブルに巻き込まれないことですが、もちろん上位争いに加わりたいと思っています。

 

明日のステージ情報

 

競技2日目となる6月2日(金)のデイ2は、オルビアのサービスパークを中心に3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。
そのうちSS4と、その再走ステージであるSS7「モンテ・レルノ」は、全長49.90kmと非常に長く、今シーズンここまで最長となるロングステージです。
また、6本のステージの合計距離は138.04kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は347.38kmとなります。

 

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WRC:Rd.6:イタリアラリーDay1結果(SS.1/19)

N0. Driver Nat. Car Class Time(Dif.)
1 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 RC1 0h02'24.9
2 O.タナク EST Ford Puma Rally1 RC1 -00'0.23
3 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 RC1 -00'00.5
4 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'00.9
5 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'01.2
6 S.オジエール FRA Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'01.3
7 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 RC1 -00'01.8
8 E.エヴァンス GBR Toyota Yaris Rally1 RC1 -00'02.0
9/td> J-P.ルーベ FRA Ford Puma Rally1 RC1 -00'02.1
10 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo RC2 -00'04.6
11 M.マルシズク POL Skoda Fabia R5 RC2 -00'04.8
12 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo RC2 -00'05.1
13 K.カゼタノビッツ POL Scoda Fabia RS RC2 -00'05.5
14 E.リンドホルム FIN Skoda Fabia RS RC2 -00'05.9
15 G.リンナマエ EST Hyundai i20 N RC2 -00'06.1
    総合 70位まで確認

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2023/05/15

WRC2:2023年シリーズ・ポイント表(Rd.5/Rd.13)

Wrc_logo

N0. Driver Nat. Car Point
1 Y.ロッセル FRA Citroen C3 65
2 G.グリーンスミス GBR Scoda Fabia RS 62
3 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo 61
4 E.リンドホルム FIN Skoda Fabia R5 44
5 N.グリャジン RUS Scoda Fabia Evo 38
6 A.フォアマウクス FRA Ford Fiesta Mk2 34
7 S.パヤリ FIN Skoda Fabia R5 25
8 B.ブラシア BOL Skoda Fabia Evo 24
9 O.ベイビー NOR VW Polo GTI R5 19
10 T.スニネン FIN Hundai i20 N 18
11 P.ロペス ESP Hyundai i20 N 15
12 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo 15
13 E.カイス CZE Skoda Fabia Evo 12
14 G.リンナマエ EST Hyundai i20 N 12
15 K.カゼタノビッツ POL Scoda Fabia RS 12
16 M.プロコプ CZE Ford Fiesta Mk2 10
17 C.イングラム GBR Skoda Fabia Evo 8
18 J.マルチネス MEX Skoda Fabia RS 8
19 A.クレマー GER Skoda Fabia R5 6
20 J.マクエルラン IRL Hundai i20 N 6
21 G.マンスター LUX Ford Fiesta Mk2 4
22 L.ジョーナ FIN Scoda Fabia R5 4
23 D.クィスト POL Scoda Fabia R5 4
24 N.ヘルジグ LUX Scoda Fabia R5 4
25 E.フェルナンデス CHL Scoda Fabia R5 4
26 S.リフェブレ FRA Citroen C3 R5 3

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WRC:2023年シリーズ・ポイント表(Rd.5/Rd.13)

Wrc_logo

N0. Driver Nat. Car Point
1 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 93
2 O.タナク EST Ford Puma Rally1 77
3 S.オジエール FRA Toyota Yaris Rally1 69
4 E.エヴァンス GBR Toyota Yaris Rally1 69
5 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 68
6 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 46
7 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 35
8 C.ブリーン IRL Hyundai i20 Rally1 19
9 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 18
10 G.グリーンスミス GBR Scoda Fabia RS 16
11 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo 15
12 J-P.ルーベ FRA Ford Puma Rally1 14
13 Y.ロッセル FRA Citroen C3 6
14 E.リンドホルム FIN Skoda Fabia RS 6
15 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo 4
16 N.グリャジン RUS Scoda Fabia Evo 3
17 O.ベイビー NOR VW Polo GTI R5 2
18 S.パヤリ FIN Skoda Fabia R5 1
19 K.カゼタノビッツ POL Scoda Fabia RS 1
20 T.スニネン FIN Hundai i20 N 1


N0. Manufactures Point
1 トヨタ・ガズー・レーシング・WRT 194
2 ヒュンダイ・シェル・モビス・WRT 165
3 M-スポーツ・フォード・WRT 130

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トヨタ・チーム ポルトガルラリー第3日目リポート

2023年5月15日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル デイ3
ロバンペラが今シーズン初優勝
パワーステージも制しドライバー選手権首位に立つ

5月14日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・ポルトガル」の競技最終日デイ3が、ポルトガル北部のマトジニョスを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が優勝しました。
また、デイ1でメカニカルトラブルによりデイリタイアとなり、デイ2で再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合33位でフィニッシュしました。

ラリー・ポルトガルの競技3日目は、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを起点に4本合計55.42km のステージが行なわれました。
最終日も天気に恵まれ、路面コンディションはドライ。
もうもうと土煙が立ちこめるグラベル(未舗装路)ステージで、最後の熱い戦いが繰り広げられました。

デイ2で総合2位のダニ・ソルドに対し57.5秒という大きなリードを築いたロバンペラは、デイ3の2本目「ファフェ1」でまずベストタイムを記録しました。
そして、その再走ステージで、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ「ファフェ2」でも、2番手タイムのオィット・タナックに0.7秒差をつけてベストタイムを記録。
昨年大会に続き、総合優勝とパワーステージ優勝という、完璧な形でラリーを締めくくりました。
その結果、ロバンペラはドライバー選手権で首位に立ち、17ポイントのリードを築きました。
なお、チームは今回の優勝により、ラリー・ポルトガルにおける連勝記録を4に伸ばしました。

勝田は、前日のデイ2に続き、不利な走行順1番手でステージを走行。
それでも、オープニングのSS16で今大会初となるベストタイムを記録し、続くSS17で4番手タイム、そしてSS18で3番手タイムを刻むなど着実に調子を上げていきました。
そして迎えた最終のパワーステージでは、4番手タイムを記録。
ボーナスの2ポイントを獲得し、チームはロバンペラが獲得したポイントと合わせて、マニュファクチャラー選手権首位の座を守りました。

豊田 章男 (TGW-WRT会長)

カッレ、ヨンネ、今季初優勝おめでとう!
昨年のように最高の結果にはなかなかつながらないカッレを心配する気持ちも無くはなかった...。
けれど、一方で、カッレの走っている姿を見ると昨年と変わらず、とにかく運転を楽しんでいるように見えていたので不安に思うようなこともなかった。
そんな想いで今シーズンのカッレの走りを見ていました。
今日の勝利は、最高の母の日の贈り物になりましたね。
これで心おきなくエビスでドリフトを楽しんでもらえると思います。
来週のFormula Drift Japanでは日本のファンに最高の横顔を見せてきてください。

前回クロアチアで優勝したエルフィンは、出走順が一番の中でも果敢に攻めてくれていました。
積極的に攻めてのコースオフだと思います。
安心してプッシュできないクルマで申し訳ない。
エルフィンがもっと意のままに走らせられるクルマにしていけるよう、一緒に次に繋げていきましょう。

2年連続で4位だったポルトガルで、今年こそ表彰台と気合をいれてくれていた貴元でしたが、クルマにメカニカルトラブルを出してしまいました。
本当に申し訳ない。
次のラリーに向けてチームみんなで、トラブルの真因をしっかり追求していきましょう。

次のサルディニアに向けて、インターバルは2週間と短いです。
その間、チームとクルマ達はポルトガルに残りトヨタ・カエタノ・ポルトガルでメンテナンスをします。
カッレは福島に行ってGRカローラでドリフト、他のドライバー達がどう過ごすかは把握できていませんが、ヤリ-マティ代表はGRカローラで富士24時間耐久に参戦です。
このチームがラリーウィークだけでなく世界中のどこかで、トヨタを楽しんでくれているのがなんとも嬉しい気持ちです。

WRCはここから中盤戦、チームみんなでトヨタを楽しみながら最高の結果が出せるよう努力を続けていきましょう!

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

ポルトガルで優勝することができて、本当に幸せな気分です。
金曜日は2台のクルマを失い、1台でしか戦えなかったので、かなり厳しい状況でした。
しかし、カッレは素晴らしいドライビングを見せ、最終的にはパワーステージも制し、圧巻の勝利を収めました。
ここしばらく勝てていなかったとはいえ、カッレのパフォーマンスは一貫して高いレベルにありました。
ただ、パズルの小さなピースが欠けていて、それがここで見つかったのです。
クルマへの自信、モチベーション、勝利への渇望という要素が全て上手く噛み合った時、誰も彼を止めることができませんでした。
また、金曜日のトラブルによって、本来のポテンシャルを全て発揮することができなかったにも関わらず、最後まで走りきった貴元にも感謝したいです。
最終日の今日、彼はパワーステージで素晴らしい走りを見せ、マニュファクチャラー選手権に関しても追加でポイントを獲得してくれました。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

この勝利を長い間待ち望んでいました。
困難な週末もありましたが、クリーンにラリーウィークを戦い、いい走りができた時は勝負できるとずっと思っていました。
ここポルトガルで再び優勝し、トップに返り咲くことができて本当に嬉しいです。
攻めの姿勢を貫いてきたヨンネとチーム全員に感謝します。
今週末はクルマのフィーリングが良く、ハードにプッシュすることができました。
次のラリーでは出走順がトップになってしまう可能性が高いと分かっていたので、パワーステージではできるだけ多くのポイントを獲得したいと考えていました。
完璧なステージではありませんでしたが、内容的には十分だったので満足しています。
次のサルディニアはさらに大変になると思いますが、この調子を維持して頑張ります。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)

金曜日に問題が起きた後は、とても難しい週末になりました。
今回のラリーには大きな期待を寄せていたので、本当に落胆しましたが、このようなこともたまに起こるものです。
その後は将来に向けてより多くの経験を積み、何かを学ぼうと試みました。
出走順一番手でステージを走るのは決して簡単ではありませんでしたが、クルマのフィーリングは素晴らしく、チームとエンジニアは本当にいい仕事をしてくれたと思います。
パワーステージでは、先に走ったクルマの轍が狭かったので、ある程度自分でラインを刻みながら走らなくてはなりませんでしたが、それでもタイムは悪くありませんでした。
ラリーを走りきり、チームのためにポイントを獲得できて良かったです。
チームのサポートに心から感謝し、カッレとヨンネの勝利を祝福したいと思います。

次回のイベント情報

WRC次戦は、6月1日から4日にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」です。
今シーズン3戦目のグラベルイベントとなるこのラリーのステージは、全体的にハイスピードですが道幅は狭く、路肩に木々や岩が迫るため小さなミスも許されません。
また、路面の多くは目の細い砂状のグラベルに覆われていますが、何台かラリーカーが走行すると下から硬い岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど、コンディションが大きく変化するのが特長です。
この時期は例年気温が高くなることが多く、ドライバー、クルマ、そしてタイヤにも厳しいラリーといえます。

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WRC:Rd.5:ポルトガルラリーDay3結果(最終:SS.19)

N0. Driver Nat. Car Class Time(Dif.)
1 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 RC1 3h35'11.7
2 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 RC1 -00'54.7
3 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 RC1 -01'20.3
4 O.タナク EST Ford Puma Rally1 RC1 -02'04.1
5 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 RC1 -08'22.5
6 G.グリーンスミス GBR Skoda Fabia Evo RC2 -09'43.4
7 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo RC2 -09'44.6
8 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo RC2 -10'26.4
9 Y.ロッセル FRA Citroen C3 RC2 -11'33.2
10 T.スニネン FIN Hundai i20 N RC2 -12'16.3
11 B.ブラシア BOL Skoda Fabia Evo RC2 -12'50.7
12 J.マクエルラン IRL Hundai i20 N RC2 -14'51.7
13 E.フェルナンデス CHL Scoda Fabia R5 RC2 -15'01.2
14 M.マルシズク POL Skoda Fabia R5 RC2 -15'15.4
15 A.フォアマウクス FRA Ford Fiesta Mk2 RC2 -16'26.5
33 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 RC1 -1h01'54.8

    総合 47位まで確認

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2023/05/14

トヨタ・チーム ポルトガルラリー第2日目リポート

2023年5月14日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company


WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル デイ2
5本のベストタイムを記録した
首位ロバンペラがリードを大きく拡げる

5月13日(土)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・ポルトガル」の競技2目デイ2が、ポルトガル北部のマトジニョスを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位を守りました。
また、デイ1でメカニカルトラブルによりデイリタイアとなった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、再出走を果たし総合36位に。
デイ1でコースオフを喫したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、クルマのダメージが大きかったため、デイ2での再出走を断念しリタイアとなりました。

ラリー・ポルトガルのデイ2は、ポルトガル北部のポルト近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に、7本合計148.68kmを走行する今大会最長の一日でした。
前日に続き晴天に恵まれ、グラベル(未舗装路)ステージの路面はドライコンディションが保たれました。

デイ1で首位に立ち、総合2位のダニ・ソルドに対し10.8秒のリードを築いたロバンペラは、デイ2でさらにスピードアップ。デイ1でのロバンペラはステージの出走順が2番手と早く、後続のライバルよりも不利な滑りやすい路面コンディションでの走行を強いられました。
しかし、デイ1で首位に立ったことにより、デイ2での出走順は7番手と遅くなり、ロバンペラは前日よりもクリーンな路面を走行。
朝一番のSS9からSS12にかけて、4ステージ連続でベストタイムを記録し、2位ソルドとの差を55.2秒まで拡げました。
さらに、ロバンペラはSS14でもベストタイムを刻み、最終的には差を57.5秒に拡大してデイ2を締めくくりました。

勝田は、前日のデイ1の2本のステージを走り終えた時点でロバンペラと同タイムの総合4位につけていましたが、その後メカニカルトラブルでデイリタイアに。
しかし、チームによって修理されたクルマで、勝田はデイ2に再出走しました。
デイ2での勝田はステージの出走順が1番手となり、誰よりも不利な路面コンディションでの走行となりましたが、「ワークス登録ドライバー」として経験を積み重ね、一日の最後のスーパーSS、SS15「ロウサダ」では2番手タイムを記録。
会場に集まった大勢の観客から大きな拍手が贈られました。

なお、デイ1のSS7でコースオフを喫したエバンスは、その後コ・ドライバーのマーティンと共に病院で検査を受けましたが、身体に特に問題はありませんでした。
ただし、クルマはダメージが大きく修理が難しい状況だったため、彼らはデイ2での再出走を断念。
ラリー・ポルトガルからリタイアし、次戦ラリー・イタリア サルディニアに向けてコンディションを整えることになりました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

今日、カッレは驚くべきスピードを発揮しましたが、ノーミスで全てをコントロールしていました。
昨年はこのようなパフォーマンスを頻繁に見ることができましたが、今シーズンは彼が望むような状況が整うまでに少し時間がかかってしまっただけだと思います。
今、カッレはクルマにとても満足していますし、このような良いフィーリングを感じることができていれば、非常にハードに攻めることもできます。
今日の午後はそれほどプッシュする必要がなかったにも関わらず、ステージ優勝をしているので、きっと楽に戦えているのだと思います。
ラリーはまだ1日残っていますが、このまま全てがうまく行き、良いフィーリングが最後まで保たれることを願っています。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

非常にいい一日でした。
昨晩クルマのセットアップを少し変えたところフィーリングがさらに良くなったので、純粋にドライビングを楽しむことができるようになりました。
今朝の最初ステージは、グリップが大きく変化するなどトリッキーな路面でしたが、クルマのフィーリングが良かったので、とにかくハードにプッシュし続けました。
午後のステージはコンディションが良い場所ではいいペースを保ち、荒れている場所ではペースを落とすなどして、クルマとタイヤをしっかり守ることができたと思います。
楽に走ることができているので、明日の朝はまずクリーンに走り、最後のパワーステージでは少しチャレンジをしてみるつもりです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

昨日はとても困難な一日でした。
路面のクリーニング役を担うため苦労することは予め分かっていましましたが、それでけでなく、クルマのフィーリングや自信に関しても少し悩んでいました。
それでも状況は良くなっていき、ベターなフィーリングでモルタグアのステージに臨んだのですが、トリッキーなセクションで足をすくわれてしまいました。
左コーナーが2つ続く高速セクションで、2つ目のコーナーは少し砂が多くて滑りやすかったため、ほんの少し滑ってコーナリングがワイドに膨らみ、バンクに当たってクルマが激しく転がってしまったのです。
スコットも僕も身体は全く問題なく、クルマは僕らをしっかりと守ってくれました。
今は、次のラリー・イタリア サルディニアでクルマに戻ることが楽しみです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)

今日は出走順がトップだったので非常に苦労するだろうと覚悟していましたが、このようなコンディションをどう切り抜けたらいいのか、経験を積むことができたのは大きな収穫でした。
例年同様、土曜日に設定されるステージは道の表面がルースグラベルで覆われているため非常に滑りやすく、駆動も伝わりにくい難しい路面でした。
そして午後の再走ステージは、予想以上に荒れたコンディションでした。
小型のクルマが走ったことで全く違う轍やラインが刻まれ、再走ステージでもまだ路面のクリーニングが必要でした。
明日はまずクルマをフィニッシュまで運ばなくてはなりませんが、午前中、特にファフェのステージの1回目の走行で様子を見て、もし調子が良ければ最終のパワーステージでプッシュして、チームのために追加ポイントを獲得したいと思います。

明日のステージ情報

競技最終日となる5月14日(日)のデイ3は、サービスパークの北東エリアで4本のステージを走行。
そのうちSS17/19「ファフェ」は、大勢の観客が集うビッグジャンプで知られる、ラリー・ポルトガルの名物ステージです。
そして、最終ステージとなるファフェの2本目SS19は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。
ステージは全部で4本、合計55.42km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、335.08kmが予定されています。

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WRC:Rd.5:ポルトガルラリーDay2結果(SS.15/19)

N0. Driver Nat. Car Class Time(Dif.)
1 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 RC1 2h59'48.6
2 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 RC1 -00'57.5
3 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 RC1 -01'08.6
4 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 RC1 -01'10.9
5 O.タナク EST Ford Puma Rally1 RC1 -02'21.8
6 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo RC2 -08'08.3
7 G.グリーンスミス GBR Skoda Fabia Evo RC2 -08'43.7
8 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo RC2 -09'36.7
9 Y.ロッセル FRA Citroen C3 RC2 -09'58.1
10 T.スニネン FIN Hundai i20 N RC2 -11'13.2
11 B.ブラシア BOL Skoda Fabia Evo RC2 -11'33.1
12 J.マクエルラン IRL Hundai i20 N RC2 -13'00.0
13 M.マルシズク POL Skoda Fabia R5 RC2 -13'21.0
14 E.フェルナンデス CHL Scoda Fabia R5 RC2 -13'29.6
15 L.ジョーナ FIN Scoda Fabia R5 RC2 -14'49.4
36 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 RC1 -1h02'02.4
    総合 50位まで確認

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2023/05/13

トヨタ・チーム ポルトガルラリー第1日目リポート

2023年5月13日
トヨタ自動車株式会社

GAZOO Racing Company

WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル デイ1
大波乱のポルトガル初日
ロバンペラが首位に立つ

5月12日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・ポルトガル」の競技初日デイ1が、ポルトガル北部の古都コインブラを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が首位に立ちました。
なお、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)はコースオフにより、今シーズン2回目のワークス登録出場となった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はメカニカルトラブルにより、それぞれデイリタイアを喫しました。

今シーズン、ヨーロッパ大陸で行われる最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルは、11日(木)の夜に古都コインブラでのセレモニアルスタートで開幕。
12日(金)の朝からコインブラ周辺の山岳地帯で競技がスタートしました。

デイ1の主舞台は、コインブラの東側に位置するアルガニル地域。
3本の山岳ステージを各2回走行し、その後2本のステージを走った後、マトジニョスの最終サービスパークを目指すという長い一日となり、8本のステージの合計距離は121.25kmでした。
デイ1は早朝のサービスも、昼間のミッドデイサービスも設定されず、アルガニルに設けられた「タイヤフィッティングゾーン」での簡便な整備作業およびタイヤ交換だけで一日を走りきらなくてはならず、選手達にとってはミスの許されない困難な競技初日となりました。

デイ1は朝から好天に恵まれ、気温は日中25度前後まで上昇。
ステージはドライコンディションでの戦いとなったため、前戦クロアチア・ラリーでの優勝によりドライバー選手権首位に立ち、出走順1番手を担うことになったエバンス、そして選手権2位で出走順2番手のロバンペラにとっては困難な一日となりました。
それでもロバンペラはSS1、2で4番手タイムと健闘。
SS3ではベストタイムを記録し、総合2位に順位を上げました。
さらに、ロバンペラは午後のSS5でもベストタイムを刻み、ついに首位浮上。
SS6で3本目のベストタイムをマークしたロバンペラは、デイ1最終のSS8まで首位を守り続け、総合2位のダニ・ソルドに10.8秒差を築いて一日を終えました。

一方、2021年にこのラリーで優勝しているエバンスは、出走順一番手という誰よりも不利な条件でステージを切り開くことになり、苦しい戦いを強いられました。
それでも午前中のSS3では3番手タイムを記録するなど奮闘し、その時点で首位と18秒差の総合5位につけていました。
ところが、エバンスは午後のSS7でコースオフ。
エバンスにもマーティンにも怪我はありませんでしたが、残念ながら彼らはデイリタイアに。チームはサービスパークにクルマが戻ってきた時点で検査を実施する予定です。

TGR-WRTからのワークス出場は第2戦ラリー・スウェーデン以来2回目となる勝田は、SS1で5番手タイム、SS2で3番手タイムを記録するなどいいスタートを切り、ロバンペラと同タイムで総合4位に並びました。
しかし、続くSS3へと向かう途中でオルタネータに問題が発生し走行不可能に。
勝田は残念ながらデイリタイアを選択しましたが、明日のデイ2で再び競技に復活する予定です。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

我々にとっては非常に複雑な心境の一日でしたが、カッレが示してくれたパフォーマンスはとてもポジティブなものでした。
彼の勝利へのモチベーションが非常に高いことが伝わってきました。
午前中はクルマに満足しきれていなかったようですが、セットアップを微調整することで自信を持ち、その後は最後まで快調でした。

エルフィンについては、今日は出走順トップということで、厳しい戦いになることは分かっていました。
それでも午前中はいい位置につけていたのですが、午後になって路面が荒れたり轍ができたりするなどコンディションが悪化し、残念ながら最後から2番目のステージで大きなアクシデントに見舞われてしまいました。
しかし、何よりも重要なのは彼とスコットが無事だったということです。

また、貴元は素晴らしいスタートをきっていただけに、午前中で止まってしまったことも残念でなりません。
それでも、ポジティブに考えて明日に備えたいと思います。
明日のステージはそれほど荒れてはいないと思いますが、タイヤをうまくマネージして走らなくてはなりません。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

本当にいい一日でした。
午前中はパーフェクトではなかったですが、ハイスピードな道でハンドリングの精度を高めようと自分たちでクルマに調整を施したところ、フィーリングがとても良くなり、午後は思うように走れました。
ステージは予想以上に荒れていたと思います。
ラリーが始まるまでの間に、路面は明らかに乾ききっていたので、多くの石が転がっていたり、荒れているところも多くありました。
しかし、自分たちはそれにうまく対応し、クレバーなドライビングをすることができたと思います。
出走順2番手からスタートしてトップに立ち、優勝争いに加わっているというのは素晴らしいことです。
明日は出走順がさらに良くなるはずなので、この調子が続くことを期待しています。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)

今朝はクルマのフィーリングが良く、ドライビングを楽しむことができていました。
SS1の最後から問題が起きていて、それに対処しなくてはなりませんでしたが、クルマのセットアップとバランスにはとても満足してましたし、全くプッシュしていなかったにも関わらずいいタイムが出ていました。
できる限りそのまま行きたかったのですが、3本目のステージに向かう途中で全てがシャットダウンしてしまい、再スタートすることもできず、そこで一日を終えることになりました。
とても残念ですが、残り2日間、この素晴らしいステージを走るチャンスはまだあります。
明日、出走順トップで走るのは大変ですが、楽しみながら、将来のために何かを学びたいと思います。

明日のステージ情報

競技2日目となる5月13日(土)のデイ2は、ポルト北東に広がるカブレイラ山脈を中心に、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。
そのうち、SS10/13「アマランテ」は、昨年に続き大会最長となる全長37.24kmのロングステージです。
そして、一日の最後にはロウサダのラリークロス・サーキットで名物のスーパーSSが行われます。
7本のステージの合計距離は今大会最長の148.68km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は667.88kmとなります。

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WRC:Rd.5:ポルトガルラリーDay1結果(SS.8/19)

N0. Driver Nat. Car Class Time(Dif.)
1 K.ロバンペラ FIN Toyota Yaris Rally1 RC1 1h22'27.7
2 D.ソルド ESP Hyundai 120 Rally1 RC1 -00'10.8
3 T.ニュービレ BEL Hyundai i20 Rally1 RC1 -00'26.0
4 S.ロウブ FRA Ford Puma Rally1 RC1 -00'26.9
5 E.ラッピ FIN Hyundai i20 Rally1 RC1 -00'27.3
6 O.タナク EST Ford Puma Rally1 RC1 -01'04.3
7 O.ソルベルグ SWE Skoda Fabia Evo RC2 -03'48.2
8 G.グリーンスミス GBR Skoda Fabia Evo RC2 -00'05.1
9 Y.ロッセル FRA Citroen C3 RC2 -04'48.4
10 A.ミケルセン NOR Skoda Fabia Evo RC2 -05'29.3
11 B.ブラシア BOL Skoda Fabia Evo RC2 -05'49.0
12 T.スニネン FIN Hundai i20 N RC2 -07'00.4
13 J.マクエルラン IRL Hundai i20 N RC2 -07'10.8
14 E.フェルナンデス CHL Scoda Fabia R5 RC2 -07'16.8
15 E.カイス CZE Skoda Fabia Evo RC2 -07'19.4
61 勝田 貴元 JPN Toyota Yaris Rally1 RC1 -59'52.2
    総合 80位まで確認

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2023/04/24

トヨタ・チーム クロアチアラリー第3日目リポート

2023年4月24日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第4戦 クロアチア・ラリー デイ3
エバンスが今シーズン初勝利を獲得
ロバンペラは総合4位、オジエは総合5位でフィニッシュ

4月23日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦クロアチア・ラリーの最終日デイ3が、クロアチアの首都ザグレブを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が優勝。
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合4位で、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合5位でフィニッシュしました。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合6位でラリーを終えました。

クロアチア・ラリーのデイ3は、ザグレブに置かれるサービスパークの北側エリアで、2本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は54.48km、リエゾン(移動区間)も含
めた一日の総走行距離は374.52kmと3日間で最短の一日でした。前日に続き天気は良く
、路面は全体的にドライコンディションでしたが、湿っているセクションや、掻き出さ
れた泥で非常にトリッキーなコーナーもありました。

デイ2で首位に立ったエバンスは、総合2位のオィット・タナック(ヒョンデ)に対し25.4秒という十分なリードを築いていたため、最終日は確実性の高い走行を実施。
オープニングのSS17で3番手タイムを記録して差を30.5秒に拡げ、最終的には27秒差をつけて、2021年のラリー・フィンランド以来となる優勝を果たしました。

エバンスにとってはWRC通算6勝目、TGR-WRTに加入後5回目の優勝でした。
なお、コ・ドライバーのマーティンは、2014年から2018年にかけて、ラリー前に逝去されたクレイグ・ブリーン氏のコ・ドライバーを務めWRC初表彰台を獲得しました。
エバンスとマーティンは、表彰台に立ったラリーの仲間たちと共に、今回の結果をブリーン氏に捧げました。

オジエとロバンペラはデイ2で激しい総合4位争いを展開し、オジエが2秒差でリード。
しかしデイ3最初のSS17でベストタイムを刻んだロバンペラが総合4位の座を奪い、さらにSS19でもベストタイムを記録。
最終的に9.7秒差でオジエを抑え、総合4位を獲得しました。
なお、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終の「パワーステージ」では、ロバンペラが2番手タイム、オジエが3番手タイム、勝田が4番手タイムを記録しました。
その結果、ドライバー選手権ではオジエとエバンスが同ポイントでトップに並び、ロバンペラは彼らと1ポイント差の3位につけています。
また、通常マニュファクチャラー選手権は1チームにつき3人をポイント獲得対象ドライバーとして登録することができますが、今大会ではブリーン氏が所属していたチームとの連帯の意味も込めて、ロバンペラとオジエの二人のみを登録。
TGR-WRTは29ポイント差で首位を守りました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

ラリー界にとって厳しい1週間でしたが、最も重要なのは、クレイグが望んでいたに違いない、安全にラリーを行い、良い戦いをすることができたことです。
私個人としては、エルフィンとスコットは、このような状況でこのラリーを制するにふさわしい、素晴らしいペアだったと思っています。
彼らはクレイグの友人であり、スコットは以前クレイグのコ・ドライバーとして共に初表彰台を獲得しました。
このラリーに臨むのは簡単なことではなかったはずですが、彼らは素晴らしい仕事をしましたし、勝利に値する戦いでした。
再び優勝できたことは、彼らにとって大きな意味があると思います。
また、カッレとセブが金曜日に問題に遭遇しながらも、チームに十分なポイントをもたらしてくれたことを嬉しく思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

リザルトに関してはそれほど良い週末ではありませんでしたが、自分たちにできることはやれたと思います。
セブと素晴らしいバトルができましたし、その戦いに勝つことができたことは悪くありません。
もちろん、4位争いはしたくなかったですが、金曜日の時点ではそれが精一杯でした。
この週末はいいスタートを切ることができず、セットアップで小さなミスをしてしまいましたが、その後クルマは良くなったので、チームに感謝します。
パワーステージではハードにプッシュし、十分なポイントを獲得することができました。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

もちろん、再び勝利を得るために長い間頑張ってきましたが、今この瞬間はあまり意味がないように感じてしまいます。
みんなにとって厳しい1週間でしたが、WRCファミリー全体が一丸となってクレイグに敬意を表したことは誇りに思います。
競技はいつも通り行われましたが、きっと彼もそれを望んでいたはずです。
金曜日は、自分たちの出走順では路面が汚れていたこともあり、このラリーで勝つことは少しハードルが高いように思いましたが、他の選手たちがトラブルに見舞われたこともあり、優勝争いをするチャンスが巡ってきました。
スコットと私は、クレイグの家族にこの週末を楽しむことを約束していましたが、それを実行することができました。
ラリーは終わりましたので、改めてクレイグの家族に哀悼の意を捧げます。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)

厳しい1週間でした。
スポーツの観点からは、もっといいリザルトを残すことができるペースがあったと思いますが、この週末は思い通りに行きませんでした。
ただし、モータースポーツというのはそういうものです。
今日はかなり苦労しましたが、カッレは本当に速かったですし、最終日に関しては彼ほどのペースが私にはなかったと言わざるを得ません。
それでも、パワーステージは狙っていたのですが、誤ったタイヤ戦略をとってしまい、ステージ中に息を呑む瞬間が何度かありました。
ですので、フィニッシュラインを通過し、チームにポイントをもたらすことができて良かったです。

次回のイベント情報

WRC次戦は、5月11日から14日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される第5戦「ラリー・ポルトガル」です。
ポルトガルは今シーズン2回目のグラベル(未舗装路)ラリーとなり、ステージを1回目に走行する際は路面は砂に覆われていますが、2回目の走行では砂が掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、路面のコンディションが大きく変化するのが特徴です。

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