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2007/02/10

PWRC:スバル スウェディッシュラリー第1レグニュース

Subaru01pLEG ONE
クリスチャン・ショーベリが、スウェーデンのスノーステージで大活躍
初日を終えてP-WRC首位に
9 February 2007

FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(P-WRC)開幕戦「スウェディッシュ・ラリー」(FIA世界ラリー選手権=WRC第2戦)は、2月9日、クルー陣がカールスタッド北部のスノーステージに挑み、ドラマチックな幕開けを迎えた。

前日夜に行われたスーパーSSの後、クルー陣は、ドライバーに人気の高いスウェーデンの高速でリズミカルなステージへと向かった。
2007年のP-WRCは最高の滑り出しを見せ、トップ6中5台をSUBARU勢が占めた。快晴で身の引き締まるような寒さは、この日1日中続いた。
地盤に氷が隠れる路面は非常にスリッパリーでありながら、とても速度域が高い。
どのドライバーからも、この凍った路面ではナロータイヤでコーナーを攻める時もプッシュはわずかという声が聞こえてきた。

初日を通してP-WRC首位に君臨したのは、SUBARUインプレッサWRX STI spec C(spec C)を駆る地元スウェーデン出身のクリスチャン・ショーベリ。
この日のステージをハイレベルのドライビングで攻めたショーベリは、8本のSSを終えて、2位につけたユホ・ハンニネンに5.7秒の差をつけての首位を守りこの日を終えた。
さらに20秒遅れて、フィンランドの成長株、同じくspec Cのアントン・アレンが3位と続いた。
この後の4-6位にも、スウェーデンのオスカー・スヴェルンド、2005年のP-WRCチャンピオン、新井敏弘、ミルコ・バルダッチと、SUBARU勢が続いた。

ショーベリは巧みなペースコントロールを見せて、安定して首位を堅守。
しかし2位争いは激しく、アレンとスヴェルンドがこの日だけでも4回は奪取と奪回を繰り返した。SS5でのバトルでは、ハンニネンが両者をかわし、2位に浮上。
一方、新井敏弘はレグ1で堅実にポジションを維持し、この日スタートした5位を維持してこの日を終えた。
その後、ミルコ・バルダッチが首位からちょうど1分差で続いた。

ナッサー・サレ・アルアティヤーは速度アップを望みながらも、午前中を堅実に攻めた。
「スウェーデンのステージは満喫しているし、ここではポイント獲得が目標」とカタールのアルアティヤーはコメント。
日中サービスでセッティングを調整し、午後にはマシンの動きが格段に向上した。
この日を終えて、アルアティヤーは「午後のステージでは、10位から8位に上がり、明日はプッシュして好ポイントを目指す。
自分自身としてはスウェーデンを満喫しているが、北欧勢のペースには尊敬する」とコメントした。

クリスチャン・ショーベリは、この初日一度も首位を譲らなかったが、それでもドラマは多かった。
フィンランドのショーベリは、SS3で一瞬コースを外れたが幸運にもすぐにコースに復帰。
続くステージではさらに慎重に攻めて、とにかく落ち着いた走りに努めた。
午前中最後のステージではリアサスペンションを曲げたが、日中サービスで修復。
この日の終わりには、ラリーの残りの日程でも後に続く2人のスウェーデンとの差を充分キープできるとコメント、自信を覗かせた。

「とてもいい1日だった。ヨコハマタイヤはとても調子が良く、マシンも素晴らしい。
SS7は少し慎重すぎたと思うが、もう少しペースを上げられるということが分かった。
少しタイムはロスしたが、戦略的には効果はあった」

地元のオスカー・スヴェルンドは、マシンは順調だがSS4のラスト5,6kmが極めてスリッパリーだった。
「今までドライブした中でも一番スリッパリーな道だ」とスウェーデン出身のスヴェルンドは言い切る。
午後はアントン・アレンとバトルを繰り広げ、順位を取り合った。

アントン・アレンは、SS2で苦戦しタイムロス。
続くステージは順調に走り終えたがSS4では「基本的にはいいフィーリングだが、コーションを多くつけ過ぎたため、タイムロスにつながっている。
もっと速く走れるはずだが、ここは初めての参戦なので、より慎重になっている。
マシンは1日通して順調だったが、上位2人との差を詰めるのは少し難しそうだ。
しかし明日はハードに攻めていく」

SUBARUマシンでの競技初日に挑んだバルダッチ兄弟の兄、ミルコ・バルダッチは、初めてドライブするマシンでの初ステージに、経験を活かして臨んだ。
午前中はややアンダーステアが出たが、チームは日中サービスでサスペンションに調整を行い解消。
午後はエンジニアによるハンドリング調整の効果を活かしてペースアップ。
これが功を奏し、1.9秒差で元チャンピオンの新井に続く6位で初日を終えた。
明日のレグ2では、ビッグファイトが期待される。

新井敏弘は、この日最初のステージ、SS2でハプニング。
マシンの外観に小さなダメージを発見したが、修復のチャンスはなく、不必要なリスクを避けて午前中の残り2本でハードプッシュを行わず、日中サービスでのチェックに持ち込んだ。
「凍ったコンディションではマシンの動きがかなりトリッキー。
まるでソリで滑るようなステージで、とにかく速い! 
SS7でセカンドベストをマークして日本人ドライバーの存在を知らしめることができてハッピー。
明日はペースを上げて、トップ陣との差を詰めていく」"

アレクサンドル・ドロシンスキーのコ・ドライバーは「SS2ではTジャンクションをストレートにつっこみ、少しタイムロスをした。
ラッキーにもコースに復帰することはできた。
その後2本ほどは、より慎重に走った」とコメントを残した。
ドロシンスキーは「今日はかなりプッシュし、明日も同じくらいハードに走ることを楽しみにしている。
コースはとにかくアメージング!ここへは初めての参戦。
ペースには驚いている。もっと速度を上げるためにはどうしたらいいかは分かっている。ペースノートの精度をもっと上げることだ」

バルダッチ兄弟の弟、ロリスはマイペースで初日を走り切り、特殊コンディションのスノーラリーと新しいコ・ドライバーとの経験を積んだ。
最後のステージでは、アイグナー、プロコップをかわして、P-WRC13位でこの日を終えた。

「2007年のP-WRCでSUBARU勢が首位に立ったのは素晴らしい内容で、クリスチャン・ショーベリをはじめ、今日、SUBARU勢ドライバーが見せたドライブは見事だった。
とても速度域の高いステージなので、非常にタフな1日だった。
どのラリーをも上回る意欲、ラリー・フィンランドで勝つレベルのパフォーマンスや意志さえ求められる状況だ。
どのspec Cも、1日を通して100%安定しており、チームやドライバー、特に新しいドライバーにとっては非常に重要なことだ。
トップ6にSUBARU勢が5台入っているが、レグ3を終わった時点でどうなっているのか、もっと楽しみにしている。とてもタフな戦いになるだろう。
ユホ・ハンニネンという強豪ライバルもおり、SUBARU勢は、明日、ポジションアップを目指して全力を尽くして行かなくてはならない。
天候は理想的で、ここに初めて参戦したドライバーは全員走行を続けており、心配は何もない。
全体的に、2007年のP-WRCの滑り出しには非常に満足しており、レグ3が終わっても同じことが言えるように望んでいる」

レグ2は、さらに過酷な6ステージで構成され、ドライバーは日曜日の競技最終日に向け、ポジション固めに挑んでいく。

Pos Driver Car Name Time Diff
---------------------------------------------------------------
1 クリスチャン・ショーベリ SUBARU IMPREZA WRX STI 1:09:46.7 0.0
2 ユホ・ハンニネン Mitsubishi Lancer Evo 1:09:52.4 +5.7
3 アントン・アレン SUBARU IMPREZA WRX STI 1:10:12.9 +26.2
4 オスカー・スヴェルンド SUBARU IMPREZA WRX STI 1:10:23.1 +36.4
5 新井敏弘 SUBARU IMPREZA WRX STI 1:10:51.8 +1:05.1
6 ミルコ・バルダッチ SUBARU IMPREZA WRX STI 1:10:53.7 +1:07.0
7 アルミンド・アラウージョ Mitsubishi Lancer Evo 1:11:49.1 +2:02.4
8 ナッサー・サレ・アルアティヤー SUBARU IMPREZA WRX STI 1:12:07.8 +2:21.1
9 マーク・ヒギンズ Mitsubishi Lancer Evo 1:12:15.8 +2:29.1
10 奴田原文雄 Mitsubishi Lancer Evo 1:12:18.3 +2:31.6
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