WRC:スバル スウェディッシュラリー第3レグニュース
スタート
51台が、スウェディッシュ・ラリーの最終レグに向けて、ハグフォースのサービスパークを出発した。
ルート
スウェディッシュ・ラリー最終レグとなるレグ3は、5SSで構成された。
午前中の2SSのループは、ハグフォースのサービスパーク近郊に設定され、30分サービスの後、午後にリピート走行を行った。
その後クルーは本拠地カールスタッドに戻り、木曜日夜に走行したスーパーSSを再走。
日曜日の総ステージ走行距離は、86.32km。
天気
雲のない快晴で、気温はここ2日間よりも冷え込んだ。
日中になるにつれやや暖かく雲も現れ、午後には小雪も見られた。
現地時間9時15分にスタートしたSS17(マルタ1)では、気温-20度を記録した。
SUBARUワールドラリーチームの概要
ラリー最終日はドラマチックな展開が起きたものの、クリス・アトキンソンはポイント圏内でフィニッシュ、今年2度目の健闘を見せた。
この日、SS16ではベストタイムをマークするなど最高の滑り出しを見せたアトキンソン。
先月のラリー・モンテカルロで達成したターマックでの初ベストタイムに続き、自身初のスノーラリーでのWRCステージウィンとなった。
しかし、その2SS後、コーナーで膨らみすぎて溝にはまり、SUBARUインプレッサWRC2006の左リアにダメージを負った。
このタイムロスで総合順位は5位から8位へと後退し、残り2本のステージもペースダウンしてのフィニッシュとなった。
Stage Summary
SS16: 08時18分 Backa 1 (30.96km)
快晴の空の下、朝6時30分(現地時間)からクルーはカールスタッドからハグフォースに向かい始め、この日最初の5本の走行に挑んだ。
ここ2日間は、気温-8度程度と比較的温暖な日が続いたが、この日曜日は急激に冷え込み、SS16のタイムコントロールの気温は-21度だった。
新設の30kmステージ、バッカではクリス・アトキンソンがこのラリーでのベストパフォーマンスを見せた。
自身イベント初のステージウィンを獲得し、ダニエル・カールソンをかわして総合5位に浮上。
「誰にとっても初めて走行する新しいステージなので、経験も同等」とアトキンソン。
「堅実な走りを心がけたので、このタイムはうれしい」
Fastest Time: クリス・アトキンソン(SUBARU) 16:31.6
SS17: 09時15分 Malta 1 (11.25km)
午前のループ・2本目のステージはマルタ。
このラリーで最も短いステージの一つで、何年も設定が変わらないコースだ。
前SSのバッカ同様、このマルタも道に除雪がかけられ、氷の地盤の上を雪のダストが軽く覆う良好なコンディション。
このSSでは、このイベントで初めて2人のドライバーが同一タイムでステージウィンを獲得した。
ペター・ソルベルグの実兄、ヘニング・ソルベルグとヤリマティ・ラトバラが、揃って5分42秒2をマーク。
クリス・アトキンソンはトラブルのない走りで5番手タイム。
ダニエル・カールソンとの差をやや広げ、2.9秒とした。
Fastest Time: ヘニング・ソルベルグ (フォード)、ヤリマティ・ラトバラ(フォード) 5:42.2
SS18: 10時54分 Backa 2 (30.96km)
30分サービスの後、クルーは、この前に走行したステージのループの再走回に向かった。
しかし2時間前に走行した1回目の走行時からコンディションが激変。
気温は-15度まで上がり、何台もの走行の末に路面はラフになり、ブレーキングゾーンやコーナーの多くで氷の代わりにグラベルが部分的に露出した。
このトリッキーなコンディションでクリス・アトキンソンが不運に巻き込まれた。
18km地点でコースでふくらみ、溝にはまった。
この衝撃でSUBARUインプレッサWRC2006の左リア部にダメージを負い、ラジエターには雪が詰まった。
サスペンションが曲がりながらもアトキンソンはこのステージを何とか走り切ったが、56秒のタイムロスを喫し、総合5位から7位へと後退した。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 16:30.0
SS19: 11時57分 Malta 2 (11.25km)
このラリー最後の本格的なステージは、前SSでアクシデントに見舞われたアトキンソンにとってはタイムロスが続く厳しい内容となった。
「あのステージのフィニッシュでダメージを修復しようと試みたが、できることはあまりなかった」とアトキンソン。
「他に選択肢はなく、このステージはペースを落としてドライブした」この11kmステージでのアトキンソンのタイムはステージウィナーのマーカス・グロンホルムから1分20秒遅れ、総合順位も8位に後退した。
残りは1.9kmのスーパーSSのみとなり、アトキンソンはマシンの保護と、9位につけるマッズ・オストベルグとの差を守ることを留意してペースを計算しなくてはならなくなった。
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 05:44.1
SS20: 14時00分 Super Special Stage Karlstad 2 (1.90km)
このラリー最後のステージは、再びカールスタッドのスーパーSSで迎えた。
何千人ものスペクテイターを前に、WRCクルーは8の字コースを2周走行。
上位陣にはこのステージで不安を抱える者はなく、クリス・アトキンソンもダメージを負ったSUBARUインプレッサWRC2006でこのステージを走り切り、ポイント圏内でのフィニッシュに持ち込んだ。
「かなりステディに走っていたが、1つのミスで3つは順位が変わると心配だった」とアトキンソン。
「でも、1ポイントを守ることができて、うれしい」
Fastest Time: マーカス・グロンホルム(フォード) 1:40.7
チームのコメント
SUBARUワールドラリーチーム・マネージングディレクター、リチャード・テイラー
「クリスにとって、悔しい1日となった。
5位という好成績から突如8位にと変わってしまった。
それでもポイント圏内ではあるが、このイベントで目指していた目標には届いていない。
しかし、マシンやBFグッドリッチタイヤについてさらに学ぶこともあり、数日後に迎えるラリー・ノルウェーでそれを活かすことができる」
クリス・アトキンソン
「SS18でのミスは本当に残念。
特にポイント3獲得に向かっていただけに、チームにとっても残念だ。
しかし、この週末での自分たちのペースはいい内容だったし、慎重にスタートするという戦略は正しい選択だった。
ただ、たった一つの不運で全てが変わってしまった。
今は次に迎えるラリー・ノルウェーに専念し、ここでできる限りいいリザルトを獲得することが我々にとって重要なことだ」
次回のイベント
FIA世界ラリー選手権第3戦は、わずか4日後。
ペター・ソルベルグにとって、特別な一戦となる。WRCカレンダーに初めて登場するラリー・ノルウェーは、SUBARUのエース、ソルベルグにとって、初めて母国で参戦できるWRCイベントとなるのだ。
このイベントは、ノルウェーの首都オスロから130km北上した農業の盛んな街・ハメルが本拠地となる。
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