PWRC:三菱 ラリー・ジャパン第1レグニュース
2007年FIA世界ラリー選手権(WRC)第14戦
2007年FIAプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)第6戦
「ラリージャパン」
10月26日(金)第1レグ 天候:曇りのち雨
帯広~帯広(総走行距離 571.58km)
SS 1~10(SS総走行距離 106.18km)
WRC第14戦・PWRC第6戦ラリージャパン第1レグ
三菱ランサーエボリューションの奴田原文雄がPWRCトップに
同じく三菱ランサーエボリューションの田口勝彦はグループN1位
2007年FIA世界ラリー選手権(WRC)第14戦およびプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)第6戦ラリージャパンは10月26日(金)に第1レグとして10本のSSが行われ、三菱ランサーエボリューションで出場の奴田原文雄がSS(スペシャルステージ=競技区間)合計タイム1時間5分49秒9でPWRC1位(グループN2位)となった。
PWRC2位(グループN3位)はガブリエル・ポッゾ(アルゼンチン、ランサーエボリューション)、PWRC3位(グループN4位)はアルミンド・アラウージュ(ポルトガル、ランサーエボリューション)。
PWRCエントリーをしていないマシンを含むグループN全体では田口勝彦(ランサーエボリューション)が1位となっており、ランサーエボリューションがグループNカテゴリーの上位を独占している。
なお、WRC総合1位はミッコ・ヒルボネン(フィンランド、フォード・フォーカスRS WRC07)、総合2位はセバスチャン・ローブ(フランス、シトロエンC4WRC)、総合3位はヤリ-マーティ・ラトバラ(フィンランド、フォード・フォーカスRS WRC06)となっている。
オープニングとなるSS1パウセカムイ・リバースは霧に包まれた。
さらに、ステージは全体的に太陽に向かって走るため非常に視界は悪い。
ドライバーにとっては最悪ともいえるコンディションだ。
しかし、ランサーエボリューションを駆る奴田原と田口は勝手知ったる道を果敢に攻めた。
結果は田口がグループN1位、奴田原はPWRC2位(グループN3位)と上々の滑り出し。
そして、ふたりは好調を第1レグの最後まで保った。
田口は全10SS中5ヶ所でグループNベストタイムをマーク。
1日を通してグループNトップの座を譲ることなく走りきった。
一方の奴田原も常にPWRC上位のタイムを刻み続け、SS7とSS8ではPWRCのベストタイムを記録、グループN全体では田口に次ぐ2位で第1レグを走破した。
PWRC日本ラウンド2連覇を狙う奴田原は「なかなか大変な1日でしたがマシン、タイヤともにコースにうまくあっておりノーミス、ノートラブルで第1レグを走りきることができました。
午後のステージでは道がかなり荒れており、またコーナーの入口ではグリップするのに出口では濡れていて非常に滑りやすく気をつかいました。
しかも、コーナーの途中には大きな穴があいていたりもしたので十分に注意して走りました。
田口選手がグループNのトップを走っていますが、私の目標はPWRC優勝なので彼のことは気にせずに走っています。
明日は雨で路面が柔らかくなってさらに滑りやすくなると思いますが、自分の走りをしたいと思います」と、語っている。
一方の田口は次のように第1レグをふり返る。
「今日は自分のイメージに合った走りをできたと思います。
マシンもタイヤも何も問題なく、最初から最後まで集中して走ることができました。
自分としては、普段APRC(FIAアジア・パシフィックラリー選手権)と同じように戦っているつもり。
きちんと自分の力を出しきって、しかも限界を越えないように心がけています。
ひとつだけ困ってしまったのは、帯広スーパーSSの時に降った雨の影響でフロントウインドウが曇ってしまったこと。
視界が限られて少し走りづらかったですね」
PWRC2位につけるポッゾは「ラリージャパンのコースは高速で、ランサーエボリューションにも自分のドライビングに合っていると思います」と、リラックスした表情でコメント。
また、PWRC3位のアラウージュは「午前中のSSではリヤデフにトラブルが起こりペースを上げられませんでしたが、午後はその遅れを取り戻そうと全開で攻めて満足の行く走りができたと思います」と語っている。
なお、SS6までPWRC3位(グループN4位)につけていたユホ・ハンニネン(フィンランド、ランサーエボリューション)はSS6でトップタイムを刻みながらも次のSS7でコースアウトにより惜しくもレグリタイア。
PWRCポイントリーダーの新井敏弘(スバル・インプレッサ)もハンニネンと同じ場所でコースアウトによりレグリタイアとなっている。
新井に次ぐPWRCシリーズ2位のマーク・ヒギンス(イギリス、ランサーエボリューション)は、帯広入りする前に自転車で鎖骨骨折をしたにも関わらず我慢の走りを続けており、現在はPWRC 10位につけている。
なお、WRCのドライバーズチャンピオンシップのリーダーであるマーカス・グロンホルム(フィンランド、フォード・フォーカスRS WRC07)はSS4でのコースオフが原因でリタイア。
ペター・ソルベルグ(ノルウェー、スバル・インプレッサWRC2007)はマシントラブルで、クリス・アトキンソン(オーストラリア、スバル・インプレッサWRC2007)はコースオフが原因でそれぞれレグリタイアとなり、2007年のラリージャパンは第1レグから荒れた展開となっている。
ラリージャパン2日目となる第2レグは、10月27日(土)に10本のSSが行われる。
2本のスーパーSSを含むSSの合計距離は146.68km、リエゾン(移動区間)を含む第2レグ全体での総走行距離は616.46kmとなっている。
■PWRC【第1レグ終了時・総合成績】
順位 ドライバー 国籍 車両 タイム (2位以下はトップとの差)
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1 奴田原 文雄 J 三菱ランサーエボリューション 1時間05分49秒9
2 G・ポッゾ RA 三菱ランサーエボリューション 51秒2
3 A・アラウージュ P 三菱ランサーエボリューション 1分10秒6
4 E・ヴェルトゥノフ RUS スバル・インプレッサ 1分26秒1
5 鎌田 卓麻 J スバル・インプレッサ 1分46秒4
6 L・カザジュ P スバル・インプレッサ 1分46秒6
7 M・ラウーム E 三菱ランサーエボリューション 2分09秒3
8 C-S・デビッド RO 三菱ランサーエボリューション 3分47秒5
9 池町佳生 J スバル・インプレッサ 3分52秒7
10 M・ヒギンス GB 三菱ランサーエボリューション 4分05秒4
11 A・ファラ HK 三菱ランサーエボリューション 6分18秒1
12 S・マリーニ I 三菱ランサーエボリューション 7分36秒4
13 P・スポイロス CY スバル・インプレッサ 8分33秒0
14 P・フローディン S スバル・インプレッサ 12分37秒2
15 新井 敏弘 J スバル・インプレッサ 19分41秒3
16 J・ハンニネン FIN 三菱ランサーエボリューション 19分52秒3
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1位のタイムは第1レグからのSS合計所要時間とペナルティーの合計
国籍:A=オーストリア、AUS=オーストラリア、CY=キプロス、D=ドイツ、E=スペイン、
FIN=フィンランド、F=フランス、GB=イギリス、HKJ=ヨルダン、I=イタリア、
N=ノルゥェー、P=ポルトガル、RA=アルゼンチン、S=スウェーデン
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