トヨタ・チーム 第2日目リポート
勝田 貴元 (C)Toyota Gazoo Racing
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2021年6月26日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第6戦 サファリ・ラリー・ケニア デイ2
大波乱のラリー2日目、オジエが総合4位に
WRCチャレンジプログラムの勝田は総合2位につける
6月25(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアの競技2日目、デイ2がナイバシャ湖近くのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が総合4位につけました。
ハルットゥネン組 (69号車)と、同じく総合3位のエルフィン・エバンス/スコット・マ
ーティン組(33号車)は、共にデイリタイア となりました。
また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムによりヤリスWRCで出場の勝田貴元は、首位と18.8秒差の総合2位でデイ2を走破しました。
前日、ケニアの首都ナイロビ郊外のスーパーSSで幕を開けたサファリ・ラリーは、金曜日から広大な大地で本格的なステージがスタート。
サービスパークの南側で3本のステージを各2回走行し、その合計距離は129.78kmでした。
日中の気温は23度前後とそれほど高くはなかったものの、ステージの路面は乾燥しており、「フェシュフェシュ」と呼ばれる粉状の細かい砂が堆積した路面が多くありました。
また、大きな石が散乱していたり、深い窪みや轍(わだち)が掘れたセクションも随所にあり、クルマにとって非常に厳しいコンディションでの戦いになりました。
デイ1のスーパーSSでベストタイムを記録し、首位でデイ2に臨んだオジエは、ドライバー選手権トップとして出走順1番手で金曜日のステージをスタート。
滑りやすく不利な路面コンディションで、砂利や砂を掃き飛ばしながら走り続けました。
オジエはSS3の途中でクルマに技術的な問題が発生したことで、続くSS4ではスロー走行を余儀なくされ、午前中の3本のステージを終えた時点で首位から2分以上の遅れをとり、総合7位に順位を下げました。
サービスで問題を解決して臨んだ午後のステージは、午前中以上に路面コンディションが悪く、多くの選手がトラブルに見舞われましたが、オジエは堅実な走りを続け、1日の最後のSS7では勝田とベストタイムを分け合い、総合4位で1日を終えました。
ロバンペラは、SS2で3番手タイムを、SS3で2番手タイムを、SS4とSS5ではベストタイムを記録するなど着実にスピードを高めていき、SS5で首位に立ちました。
続くSS6では2番手タイムで総合2位に順位を下げましたが、依然好調を維持。
しかし、SS7をスタートしてしばらく走ったところで深い轍でスタック。
再スタートを断念し、デイリタイアとなりました。
また、SS2終了時点で総合4位につけていたエバンスは、SS3のフィニッシュ近くでコーナーイン側の茂みに隠れていた大きな石に当たり、走行を続けることができなくなりデイリタイアとなりました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日はサファリ・ラリーが本当の姿を現しました。
われわれは良い結果で1日を終えることができそうでしたが、残念ながらカッレが最終ステージでこのラリーならではの問題に見舞われてしまいました。
貴元とは今朝、安定した走りを続け冷静さを保ち続ければ必ず結果はついてくると話し合いましたが、まさにその通りの仕事をしてくれたので、とてもうれしく思います。
セブに問題が起きてしまったのは残念ですが、依然いいポジションにつけているので、まだいろいろな可能性があります。
カッレもそれほど大きくは遅れていないですし、エルフィンも再出走する予定なので、最後までちゃんと走り切れば多くのポイントを獲得できる筈です。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
厳しいコンディションになるだろうと予想していたので、今日、皆が多くのトラブルに見舞われても特に驚きませんでした。
今日は朝からトラブルが起きてしまい、サービスにクルマを戻すためゆっくり走らなければならないという不運もありましたが、最終的にはラリーを続けることができました。
午後はさらに過酷なコンディションになりましたが、特に大きなトラブルなく乗り切ることができました。総合4位まで挽回することができたので、まだ十分にチャンスはあると思っています。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
1日がこれほど早く終わってしまい本当に残念です。
正直なところ、かなり基本的なミスをしてしまい、とても後悔しています。
ペースノートに記していた情報以上に石が飛び出ていて、それに当たってしまいました。
このようなイベントでは、何か問題が起きた時は可能な限り自分で直そうと試みますが、ダメージの状況を見た時点で今日はラリーを続けられないと分かりました。
残りの2日間は楽しく走り、そこから何かを得なくてはなりません。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
今日の午前中は、非常に賢いスタートを切れたと思います。
路面が荒れているところではクルマの動きを確認するため慎重に走り、その後少しずつペースを上げていきました。
午後はベストタイムを出して順調にスタートし、うまく対応できていたと思います。
しかし、最終ステージではスタート直後に地面から大量のダストが舞い上がって何も見えなくなってしまったため、スローダウンせざるを得なくなり、さらには轍でスタックしてしまいました。
それまでいい位置につけていただけに本当に悔しいですが、まだラリーが終わったわけではないので、自分たちができることをやるつもりです。
明日のステージ情報
競技3日目となる6月26日(土)のデイ3は、サービスパークの北側にあるエルメンテイタ湖の周辺で、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行します。
そのうち、SS10とその再走ステージであるSS13「スリーピング・ウォリアー」は、デイ3最長となる全長31.04kmのロングステージです。
6本のステージの合計距離は132.08kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は387.88kmとなります。
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