トヨタ・チーム 第4日目リポート
Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
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2021年7月19日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第7戦ラリー・エストニア デイ4
20歳のロバンペラがWRC初優勝を達成
WRC最年少優勝記録を更新する
7月18日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・エストニアの競技最終日、デイ4がタルトゥのサービスパーク周辺で行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)がWRC初優勝を飾りました。
また、総合4位にはセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が、総合5位にはエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が入りました。
ラリー・エストニアの最終日は、3本のグラベル(未舗装路)ステージをサービスを挟むことなく各2回走行。6本のステージの合計距離は52.10kmでした。
最終日もタルトゥ周辺は好天に恵まれ路面コンディションはドライ。
日中、気温は29度前後まで上昇しました。
デイ3で総合2位のライバルに対し50.7秒という大差をつけたロバンペラは、確実性の高い走りでステージを重ねましたが、タイム差はさらに開き、最終ステージを前に54.6秒差となりました。
優勝に王手をかけたロバンペラは、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ「タルトゥ・バルド2」で5番手タイムを刻み、最終的に59.9秒の差をつけWRC初優勝を達成しました。
20歳と290日という初優勝記録は、ヤリ-マティ・ラトバラ チーム代表が2008年に打ち立てた、22歳というWRC史上最年少優勝記録を更新する快挙です。
また、カッレの実父であるハリ・ロバンペラ氏は2001年にWRCスウェディッシュ・ラリーで優勝しており、親子二代でのWRC優勝が実現しました。
オジエはドライバー選手権を考えたクレバーな走りで一日をまとめ、総合4位でラリーをフィニッシュしました。
また、パワーステージでは3番手タイムを記録してボーナスの3ポイントも獲得し、選手権首位を堅持。
今回総合5位に入り、選手権2位を守ったエバンスとの差を37ポイントに拡大しました。
なお、エバンスはパワーステージで4番手タイムを記録したことにより、ボーナスの2ポイントを獲得しました。
今回のロバンペラの勝利により、チームは第3戦メキシコから5戦連続優勝を達成。
また、7戦中6勝と好調を維持しており、2位のライバルチームと59ポイント差でマニュファクチャラー選手権首位の座を守りました。
豊田 章男 (チームオーナー)
カッレ、ヨンネ、
ラリー・エストニア優勝おめでとう!
やっと2人に気持ちよく走ってもらえたこと、本当にホッとしています。
そう思っているのは僕だけではない筈。
2人の苦しい走りを見ていたチームのみんながホッとしていたに違いありません。
ただ、1人だけ複雑な気持ちになっていたメンバーが、もしかしたらいたかもしれません…。
ヤリ-マティが持っていた22歳というWRC最年少勝利記録を、20歳のカッレが破りました。
ヤリ-マティはどんな気持ちでカッレを見守っていたのか?
チームに聞いてみたら、同じフィンランド出身の若者が自分のチームで記録を塗り替えてくれたことを素直に喜んでいたそうです。
そんなチーム代表がいることをチームオーナーとしてうれしく、誇らしく思いました。
今回、勝利したヤリスはエストニアにあるわれわれのチームの工場で組みあげたクルマです。
エストニアもわれわれのホームコースです。
シーズン折り返しの戦いが我々の母国での勝利となり、そのことも本当にうれしく思っています。
前半戦、われわれのチームの誰かが必ずポディウムに立っていました。
本当に頼もしいチームです。
シーズン後半は10月にラリー・フィンランド、11月には最終戦ラリー・ジャパンと母国
での戦いが続きます。
ファンの皆さま、今回も応援ありがとうございました。
引き続き、TOYOTA GAZOO Racingをよろしくお願いいたします。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日は素晴らしい一日で、いろいろな意味で記録的な勝利になりました。
優勝はどれも特別で喜ばしいものですが、今日カッレの初勝利を目にすることができたのは、私にとって大きな意味があります。
彼が史上最年少でWRCウイナーとなり、私の記録を塗り替えたことを本当にうれしく思います。
私がヘンリ・トイボネン氏の記録を更新し、それを今回カッレが更新したことで、フィンランド人の伝統が受け継がれました。
今週末カッレは本当に素晴らしかったですし、トヨタにとって新記録となる、WRC5連勝を達成でき
たことも信じられないくらい嬉しいです。ここ数戦で我々が成し遂げたことはどれも素
晴らしく、特別なことです。両チャンピオンシップともまだ先は長いですが、チームと
選手達を誇りに思っています。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
今日はパワーステージに焦点を合わせていましたが、最終的にステージはひどいコンディションになってしまいました。
大きな轍があり、ハードに攻めるようなステージではありませんでした。
とにかく生き残り、最後まで走りきることを考えながらも、少しでもポイントを稼ごうと努力しました。
この週末は、チャンピオンシップを考えるとポジティブな一歩となりました。
出走順トップでステージに臨むことは、大変だと分かっていました。
金曜日は非常に好調でしたが、それをいい結果に繋げることはできませんでした。
それでも、ポイントを獲得できたことが何よりも重要です。
カッレとヨンネの初優勝はとてもうれしいですし、彼らとチームにおめでとうと言いたいです。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
私達にとっては、難しい週末になってしまいました。
今日はパワーステージに集中し、できる限りのことをしましたが、残念ながらパフォーマンスをフルに発揮することはできませんでした。
この週末は、望んでいたようなものにはなりませんでした。最初からあまり上手くいかず、なかなか自分のリズムを掴めませんでした。
次のイベントに向けて、この状況を改善する必要があることは言うまでもありません。
それはさておき、カッレとヨンネが優勝したのはうれしいですし、彼らは本当に良くやったと思います。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
優勝することができて本当にいい気分です。
優勝を目標に戦ってきたので、チームには本当に感謝しています。
今年は私にとって難しい年でしたが、彼らは手厚くサポートしてくれましたし、クルマのフィーリングもチームもとても良かったです。
また、最年少優勝という記録を残せたことも、とてもうれしいです。
ヤリ-マティは、自分が持つ記録を私に更新してほしいと言ってくれていたので、とても意味のある勝利です。
今日は思いのほかフィーリングが良く、プレッシャーを感じることなく普通に走れましたし、ペースも良かったです。
一度勝つことによって重圧から解放され、気持ちも楽になるので、今回の優勝は私にとって大きな助けになる筈です。
次回のイベント情報
WRC次戦は、8月13日(金)から15日(日)にかけて開催される、第8戦「イープル・ラ
リー」です。
ベルギーの西部のイープルを中心に行われるこのラリーは、1965年に初開催された長い伝統と人気を誇るイベントであり、WRCとしての開催は今年が初となります。
路面はターマック(舗装路)で、側溝のある農道を走行する非常にトリッキーなラリーとして知られています。
また、ラリーの最終日には、WEC(世界耐久選手権)やF1世界選手権も開催される「スパ・フランコルシャン・サーキット」周辺でのステージも予定されています。
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