トヨタ・チーム ベルギーラリー第1日目リポート
Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
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2021年8月14日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第8戦イープル・ラリー・ベルギー デイ1
ベルギー初開催のWRCイベント、イープルが開幕
チームにとって未知なるラリーでロバンペラが総合4位につける
8月13日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦イープル・ラリー・ベルギーが開幕。
ベルギー西部イープルのサービスパークを中心にデイ1として7本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)が総合4位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合6位につけました。
ベルギーは、これまで1度もWRCを迎えたことがありませんでした。
しかし、長い伝統と人気を誇るターマック(舗装路)イベントの、イープル・ラリーが今年初めてWRCに昇格。
13日(金)はまず午前中にシェイクダウンが行われ、午後から競技が始まりました。
本来は4本のステージをサービスを挟んで各2回走行する予定でしたが、1日の最後のSS8は安全上の理由によりキャンセルに。
そのためステージは7本合計125.89kmとやや短くなりましたが、それでも3日間で最長の1日でした。
イープルのステージはその多くが農道であり、高速ながら道幅は狭く、直線とジャンクション(交差点)が続く特殊なターマック・ラリーとして知られています。
トヨタのドライバーは全員このラリーへの出場経験がなく、未知なるステージへの挑戦の1日となりました。
天気は1日を通して良く、競技開始時点の気温は約22度。
ステージは終日ドライコンディションが保たれました。
乾いた路面の表面にはダストが多く積もって非常に滑りやすく、出走順が1番手のオジエ、2番手のエバンスにとっては理想的なコンディションではありませんでした。
それでもエバンスは3ステージ連続で3番手タイムを記録。
最初の4本のステージを終えた時点で、総合3位のライバルと0.8秒差につけていました。
しかし、サービスを挟んで始まった再走ステージでは、前戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を達成した20歳のロバンペラがペースを上げ、SS7でエバンスを抜き、総合3位のライバルと僅か1.4秒差の総合4位で1日を締めくくりました。
また、総合5位のエバンスはロバンペラと0.8秒差、再走ステージで2番手タイムを記録したオジエはエバンスと6秒差の総合6位と、全ドライバーが表彰台を狙える位置につけています。
なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより今回もヤリスWRCで出場の勝田貴元は、今回新たにコンビを組むことになったコ・ドライバーのキートン・ウイリアムズと共に、オジエに次ぐ総合7位で1日を終えました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
私達にとって最高の1日ではありませんでしたが、最悪の1日でもありませんでした。
もう少し上位で戦いたかったので少し残念ではありますが、このラリーで経験のある選手達と戦うのは難しいことだと分かっていました。
残念ながら、経験ばかりは買うことはできません。
それでも、3人のドライバー全員が表彰台にとても近い位置につけているので、明日はプレッシャーをかけていけると思います。
今日は最初のループステージで改善点を見つけ、自信を深めたので、このいいリズムを保ったまま明日の戦いに臨みたいと思います。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
最初のループステージのペースはあまり良くなく、理想的なスタートにはなりませんでした。
出走順1番手で臨んだのでグリップを得ることが難しく、路面のダストがこれほど大きく影響するとは思っていませんでした。
また、クルマのセットアップについても改善の余地がありましたが、その後の再走ステージでは正しい方向に向かいました。
まだ完璧ではありませんが、セットアップが少し改善されたことで、かなり自信を持って走れるようになりました。
明日に向けては、さらなる改善のためのアイデアがいくつかあります。
表彰台を獲得するために、集中して取り組む必要があります。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
簡単ではないスタートでした。
グリップレベルが頻繁に変化し、様々な路面が混じり合っていたので、自信を持って走ることができませんでした。
いくつかのセクションではとてもいいフィーリングでしたが、いくつかのセクションではクルマとの完全な一体感を得ることができませんでした。
最初のループステージでは上位選手達との差を縮めようとトライし、まずまずだったと思います。
その後の再走ステージに関しては、正直なところクルマのフィーリングはとても良かったのですが、タイムはあまり良くなかったので、その理由を分析し、明日の朝はより良いタイムを出せるようにしたいと思います。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
予想していた通り、路面コンディションは常にトリッキーで非常に厳しい1日になりました。
このクルマとタイヤでは、ターマックのステージをそれほど長く走っていませんでしたし、このラリーのステージはグリップレベルが大きく変わるので、それを把握するのはとても難しかったです。
それでも、どのようなコンディションであるかを掴めた再走ステージでは楽になり、リスクを冒すことなく少しずつプッシュしていくことができたので、とても楽しく運転することができました。
チームメイトと僅差のいい戦いができていますが、明日の表彰台争いはかなり大変になると思います。
明日のステージ情報
競技2日目となる8月14日(土)のデイ2は、サービスパークの南側を中心に、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行します。
そのうち、オープニングのSS9とその再走ステージであるSS13「ホレベーケ」は、今大会最長となる全長25.86kmのステージです。
8本のSSの合計距離は119.92km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は310.37kmとなっています。
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