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2021/09/13

トヨタ・チーム 第4日目リポート

Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
拡大します

2021年9月13日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ4
20歳のロバンペラが今シーズン2勝目を飾る
総合3位のオジエはドライバー選手権のリードを拡大

9月12日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャの競技最終日デイ4が、ラミアのサービスパークを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)が優勝、今シーズン2勝目を飾りました。
セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は、総合3位でフィニッシュしてドライバー選手権首位の座を守り、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合6位で完走。
また、チームはマニュファクチャラー選手権におけるリードをさらに拡げました。

アクロポリス・ラリー・ギリシャのデイ4は、サービスパークを起点に、日中のサービスなく3本合計69.25kmのステージが行なわれました。
最終日のオープニングステージ、SS13「タルザン1」は降雨により一部セクションが湿り、ぬかるんだ区間もある難しいコンディションとなりました。
前日のデイ3で総合2位のライバルに30.8秒のリードを築いた首位ロバンペラは、SS13でそのライバルに14.1秒という大差をつけるベストタイムを記録。
リードを一気に44.9秒に拡げました。
続く今大会最長となる33.20kmのロングステージ、SS14「ピルゴス」も一部にぬかるんだ区間があり、ロバンペラはややペースを抑えて走りましたが、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ、SS15「タルザン2」では今大会8本目となるベストタイムをマーク。
WRC初優勝を飾った第7戦ラリー・エストニア以来となる今シーズン2勝目をあげ、パワーステージ優勝によるボーナスの5ポイントも獲得しました。

総合2位のライバルと9.4秒差の総合3位でデイ4をスタートしたオジエは、最終日もドライバー選手権を最優先したクレバーな走りを続け、3本のステージをいずれも3番手タイムで走行。総合3位でフィニッシュし、パワーステージで3番手タイムを記録したことでボーナスの3ポイントも獲得。
ドライバー選手権トップの座を守り、リードをさらに拡げました。
また、デイ2でのトラブルによる大きな遅れを着実に挽回していったエバンスは、最終的に総合6位まで順位を上げ完走。
パワーステージでは2番手タイムを刻み、ボーナスの4ポイントを獲得しました。
その結果、選手権首位オジエとの差は44ポイントに拡がりましたが、同ポイントで並んでいたライバルに対しては6ポイントのリードを築き、単独2位となりました。

また、ロバンベラはドライバー選手権4位を守り、3位のライバルとの差を1ポイントに、2位エバンスとの差を7ポイントに縮めました。
なお、チームは今シーズン5回目のダブルポディウム獲得と、ロバンペラとエバンスによってもたらされたパワーステージのボーナスポイントにより、マニュファクチャラー選手権におけるリードを57ポイントに拡大しました。

豊田 章男 (チームオーナー)

カッレ、ヨンネ、SS3以降、ずっとトップを走り続けての優勝、とても頼もしい走りでした!
パワーステージも素晴らしい走り!
ヤリ-マティの最年少記録を塗り替えたエストニアでの初優勝、次戦ベルギーでの3位表彰台、そして今回のギリシャでの2勝目。
頼もしいドライバーになってくれたこと本当にうれしく思います。
早くもお父さんを超える2勝目、おめでとう!
今回の勝利は、もちろん日々学びながら進化し続けているカッレのドライビングにも感謝ですが、彼を支えるチームのみんなにも感謝したいと思います。
今シーズンは感染防止のため、エンジニアの一部はフィンランドに残り、遠隔で現地をサポートしています。
遠隔サポートのやり方も改善を続け、今回は遠隔のデータエンジニアたちが、カッレの車両からいち早く不具合を見つけ出してくれて、大事に至らずに走り続けられたそうです。
カッレの勝利をサポートしたみんな、今回の勝利をありがとう!

セブの3位表彰台も、ドライバーズタイトルに向け大切なポイントです。
ダブルポディウムをありがとう。
車両トラブルにより、エルフィンには思ったとおりの走りをさせてあげられませんでした。
申し訳なく思います。
原因を究明し、改善していきたいと思います。

次戦は我々のホームタウンを走るラリーフィンランドです。
フィンランドではセブ、エルフィン、カッレ、貴元、みんなの笑顔を見たいと思います。
ヤリ-マティをはじめチームのみんな、よろしくお願いします。

ファンの皆さまも引き続き、応援いただければ嬉しく思います。よろしくお願いします。
追伸
貴元は今回走れない週末になってしまいました。
楽しみにしていた日本での戦いも中止になってしまい、残念なことが続いています。
しかし次戦は地元フィンランド、しっかり気持ちを切り替えて、次こそ思いっきり走ってきて欲しいと思います。
今週末、日本では”もう一人の勝田選手”が貴元の残念な気持ちも背負って、頑張って走ってくれました。
今週は”日本の勝田選手”に「おめでとう」を送ります。
次回は日本で走る勝田選手、フィンランドで走る勝田選手、両方におめでとうが言えるようになることを祈っています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

正直なところ、今週末は優勝を期待していませんでした。
全てのドライバーがスタート直後からパフォーマンスを発揮してくれたことにとても満足しています。
特にカッレは驚くような速さでしたし、週末を通してとても冷静で、成熟した戦いをする姿を見てうれしく思いました。
セバスチャンは今回も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたし、チャンピオンらしい走りで、彼自身とチームのチャンピオンシップのためにポイントを獲得してくれました。
エルフィンは、残念ながらラリー序盤でトラブルに見舞われましたが、そこから挽回し、パワーステージでは見事な走りを見せてくれました。
頑張って戦ってくれたチームの全選手を誇りに思います。

セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)

われわれにとってはとても良い結果になりました。
今週末の目標は選手権のリードを維持することでしたが、それを達成することができ、非常にポジティブな結果になりました。
自分ではとてもクレバーにラリーを戦うことができたと思います。
全体的に、ステージはかなり難しいコンディションでした。
カッレと同じようなペースで走ることはできませんでしたが、彼は飛ぶように速く、他のドライバーとはレベルが違いました。
優勝にふさわしい走りをしたカッレを祝福したいと思います。
金曜日を終えてタイトル争いについて考えた時、このラリーで勝つために大きなリスクを冒すべきではないと思ったので、総合3位という結果にはとても満足しています。

エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)

今回は自分達の週末ではありませんでしたが、ラリーではこのようなことも起こるものですし、このチームで金曜日のような問題が発生するのは非常に稀なことです。
クルマのフィーリングは、全体的にとても良かったと思います。
最終的に総合6位を獲得できたのは、今朝他の選手のクルマに問題が起きたためで、ちょっとしたギフトのようなものです。
最後のパワーステージの走りは完璧ではなかったかもしれませんが、それでもボーナスの4ポイントを獲得できましたし、少なくともこの週末をプラスで終えることができて良かったです。

カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)

ギリシャで勝つことができて素晴らしい気分です。
正直なところ、本当に大変なラリーでした。
多くのステージをレッキで走り、夜は毎晩のように映像を見直すなど非常に長い週末だったので、このような結果でフィニッシュできて本当にうれしいです。
金曜日の段階で既にクルマの調子は良かったのですが、タイプが異なる土曜日のステージのためにセットアップを変更したところ、クルマはさらに良くなりました。
本当にいいフィーリングだったので、思いきり運転を楽しむことができました。
また、チームのみんなが素晴らしい仕事をしてくれたお陰で、クルマはトラブルフリーでした。
本当に感謝しています。
次のフィンランドでも、今回と同じようなスピードで走れることを期待しています。

次回のイベント情報

WRC次戦は、10月1日から3日にかけてフィンランドのユバスキュラを中心に開催される「ラリー・フィンランド」です。
WRCを代表するハイスピード・グラベル(未舗装路)ラリーであるフィンランドは、昨年は新型コロナウイルスの影響により中止されたため、2年ぶりの開催となりますが、開催時期は従来の夏から秋に移りました。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、チームにとってのホームイベントで2017年から2019年にかけて三連勝を飾っており、ヤリスWRCにとってはもっとも得意とするラリーのひとつです。

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