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2021/09/10

トヨタ・チーム 第1日目リポート

Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
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2021年9月10日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ1
8年ぶりにWRCに復帰した伝統のラリーが首都アテネでスタート
オジエが初日を制し、ヤリスWRCがトップ3を独占

9月9日(木)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが開幕。ギリシャの首都アテネで市街地ステージが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)がベストタイムを記録して初日首位に。
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合2位に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)は総合3位につけ、ヤリスWRCがトップ3を独占しました。

アクロポリス・ラリー・ギリシャは、1951年に初めて開催され、WRCには初年度の1973年からシリーズに組み込まれていた、非常に長い歴史と人気を誇るラリーです。
2013年の大会を最後にWRCとしては開催されていませんでしたが、今年8年ぶりにカレンダーに復帰しました。

ラリーは9日木曜日の午前中に、サービスパークが置かれる中央ギリシャの都市「ラミア」の近くで、全長4.25kmのシェイクダウンが行われました。
通常アクロポリスのグラベル(未舗装路)ステージはドライコンディションでの走行となることが多いですが、ラリーウイーク前半のレッキ(ステージの事前下見走行)の段階から降雨が続き、ステージの多くの区間が泥状に。
シェイクダンのステージも同様に雨でぬかるみ、非常に滑りやすく難しいコンディションでしたが、20歳のロバンペラが最速タイムを記録。
エバンスは5番手タイム、オジエは6番手タイムでした。

その後、選手たちはラミアから約200km南東に離れた首都アテネに移動。
アクロポリスの丘にそびえるパルテノン神殿の下で夕方5時半からセレモニアルスタートが行われ、その直後にアテネ中心部のシンタグマ広場でオープニングのSS1がスタート。
全長0.98kmのターマック(舗装路)ステージで、オジエが2番手タイムのエバンスに0.6秒差をつけてベストタイムを記録。
ロバンペラは、オジエと0.8秒差の3番手タイムを記録し、ヤリスWRCは全車が順調に競技初日を走り切りました。

なお、TGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もヤリスWRCで出場する予定でしたが、コ・ドライバーであるキートン・ウィリアムズが急を要する家族の事情により帰国したため、今回はラリー本番への出場を取り止めました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

クラシックなイベントであるアクロポリス・ラリーを、歴史あるアテネからスタートできたことをとてもうれしく思います。
最初のステージは我々にとっていい結果になりましたが、大変なのは明日以降です。
今週は、ここまでのところ私が過去にこのラリーで経験したことがないような天気となり、2日間雨が降り続き、ステージはかなりぬかるみました。
明日については、ステージが行われるルートラキの周辺では雨が降っていなかったので、コンディションは良さそうです。
ラリー前のテストは暑く、ドライコンディションの道で行なったので、今朝のシェイクダウンでぬかるんだ道を走ることができたのは良かったと思います。
これで、必要に応じてラリー中にセットアップを変更し、ぬかるんだコンディションにも上手くクルマを適応させることができるでしょう。

セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)

ギリシャに戻って来ることができてうれしく思います。
すでに多くのファンからの応援を受けていますし、それが最初のステージでは自分達の力になりました。
今週末は、きっとチャレンジングな戦いになると思います。
レッキは多くの雨と霧に見舞われて簡単には行かず、完璧なペースノートを作ることは難しかったです。
今朝のシェイクダウンは、過去のギリシャのステージよりもはるかにぬかるんだコンディションでしたが、ラリー本番でも同じような区間があるかもしれません。
私にとって残念なのは、明日のステージに関してはドライコンディションになりそうなことです。
ドライコンディションのステージを出走順1番手で走る場合、道の表面の滑りやすい石を掃き飛ばしながら走行しなくてはならないので、とてもタフな作業となります。
ここまで戦ってきたグラベルラリーと同じように、金曜日のタイムロスをできる限り最小限に抑え、その後どこまで挽回できるのか考えたいですが、今回のようなコンディションでは決して簡単な週末にはならないと思うので、やれるだけのことをやってみるつもりです。

エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)

今晩、アテネでラリーをスタートすることができてうれしく思いますし、たとえ距離が短いステージであったとしてもいいスタートを切れて良かったです。
今朝は雨が多く降り、非常にぬかるんだ路面でのシェイクダウンとなり、どれくらいグリップするのか判断するのが難しかったです。
この週末も同じような路面コンディションになるかどうかは分かりませんが、明日のステージは最もドライな路面になるでしょう。
土、日曜日のステージについてはレッキの段階ではかなり濡れていてぬかるんでいましたが、実際にわれわれが本番で走る時までにどれくらい乾くのか、予想できません。
明日はタイヤ選択が大きな鍵を握ると思いますが、私たちの選択が正しいことを願っています。

カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)

自分にとって初めてのアクロポリス・ラリーをスタートすることができて良かったですし、多くのファンの前で最初のステージを走り、クルマのパフォーマンスをお見せすることができてうれしく思います。
今日の朝、トリッキーなコンディションでシェイクダウンを走ったのはとても有益でした。
というのも、レッキの段階ではステージに水や泥が多くあったからです。
これから路面はかなり乾いていく可能性があるので、コンディションがどう変化するのかを注意して見ていく必要があります。
とはいえ、シェイクダウンでは何度かクリーンな走りができましたし、ドライビングを楽しむこともできました。
面白いラリーになることは間違いないでしょう。

明日のステージ情報

競技2日目となる9月10日(金)のデイ2は、アテネのパルクフェルメを出発して西に移動し、コリントス運河の近くにあるビーチリゾート、ルートラキの周辺で2本のステージを走行します。
そのうちSS2の「アグヒ・テオドリ」は、ルートラキのタイヤフィッティングゾーンを経て午後に再度SS4として走行。
その後北に移動し、ラミアのサービスパークに向かう途中でさらに2本のステージ、SS5「テーベ」とSS6「エラティア」が行われます。
5本のSSの合計距離は89.40km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は485.67kmとなっています。

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