トヨタ・チーム ベルギーラリー第2日目リポート
Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
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2021年9月11日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2
グラベルステージでの戦いが始まりロバンペラが首位に
選手権リーダーのオジエは僅差の総合3位につける
9月10日(金)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャの競技2日目デイ2が、首都アテネを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)が総合1位に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合3位につけました。
また、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、トラブルを乗り越え総合16位でデイ2を走りきりました。
前日夜に首都アテネの市街地ステージで戦いの火蓋が切られたアクロポリス・ラリー・ギリシャは、デイ2の朝から本格的なグラベル(未舗装路)ステージでの戦いがスタート。
アテネを起点に、5本合計89.40kmのステージが日中のサービスを挟むことなく行なわれました。
デイ2前半の舞台となったルートラキ周辺は好天に恵まれ、気温は日中30度程度まで上昇。
路面コンディションはドライとなり、出走順が早い選手達にとっては不利な走行条件となりました。
ドライバー選手権首位につけるオジエは出走順1番手で、選手権2位のエバンスは2番手でステージをスタート。
路面には滑りやすい砂利や石が散乱し、それを掃き飛ばしながらの困難な走行となりましたが、オープニングのSS2でオジエは2番手タイムを刻み首位の座を維持。
エバンスは3番手タイムを記録するなど、良好な滑り出しとなりました。
続くSS3ではロバンペラがベストタイムを刻み総合1位に順位を上げ、さらにSS4でもベストタイムをマークしてリードを守りました。
ルートラキの周辺で3本のステージを走り終えた選手達は、その後サービスパークが置かれるラミアを目指して北上する途中で、さらに2本のステージを走行。
SS5は一部区間で路面がかなり湿っていましたが、オジエが今大会2回目のベストタイムを記録。
デイ2最終のSS6はロバンペラが3番手タイムで走り抜き、首位を堅守しました。
また、オジエはロバンペラと3.9秒差、総合2位のライバルと僅か0.2秒差の総合3位でデイ2を締めくくりました。
なお、SS2終了時点で総合3位につけていたエバンスは、SS3でギヤチェンジに関するトラブルに見舞われタイムロスを喫しましたが、困難を乗り越えてデイ2の全ステージを走破しました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日のパフォーマンスにはとても満足しています。
クルマもドライバーも、予想していた以上に速かったです。
路面は大量のルーズグラベルで覆われていたので、早い出走順でステージに臨むのはさぞかし難しいだろうと考えていましたが、思っていた以上にうまく行きました。
カッレが攻めの走りでトップに立ったのはとても良かったですし、セブも素晴らしい走りを見せてくれました。
エルフィンもまた、序盤は素晴らしいスピードで走っていたので、技術的な問題が起きてしまったことがとても残念ですし、申し訳なく思います。
最初のステージを走り終えた後、突然ギヤチェンジに関する問題が発生したのですが、その原因はまだ分かりません。
本当に悔しかったと思いますが、それでもリタイヤすることなく走り続け、1日の最後のサービスまでクルマを持たせてくれました。
このようなファイティングスピリットがあれば、ポイントを獲得することもできるでしょう。
明日は今大会最も長い一日で、レッキの時のコンディションを考えるとかなり大変だと思いますが、自信はあります。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
総合3位につけ、トップに近い位置で1日を終えられたことをうれしく思います。
もちろん、今朝スタートする時は自分の出走順やコンディションを考えてかなり悲観的になっていましたが、それでもベストを尽くして走り、トラブルとも無縁でいられました。
いく
つかのセクションでは本当に限界ギリギリでしたし、道が荒れていたところではクレバーに走りましたが、運転はとても楽しく感じられました。
面白いことに、唯一楽しめなかったのはベストタイムを獲得したSS5で、グリップがまったく安定していませんでした。
チャンピオンシップ争いではいい位置につけているので、優勝争いを意識せず、大きなリスクを負う事なく走り、自分自身の戦いに集中しなくてはなりません。
ただし、今日はクルマのフィーリングがとても良かったので、そのような状態であれば攻めの走りをすることも可能です。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
もちろん、今日は望んでいたような一日ではありませんでした。
問題を解決するために
できる限りのことをしようとしましたし、並行してチームも一生懸命解決策を探してくれましたが、このような状況でできることは限られていたので、午後のステージは悔しい気持ちで走り続けました。
唯一ポジティブなのは、今晩サービスを受けられるということです。
ドライバー選手権争いについては今朝よりも状況が悪くなってしまいましたが、ラリーではこのようなことも起こりますし、このチームでは本当に稀なことです。
私がチームに加入してから今まで、こういった技術的なトラブルは一度も経験したことがなかったと思います。
明日に向けて、クルマは完全に直ると確信しています。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
とてもいい一日でした。
朝最初のステージは少し慎重に走りましたが、その後は少しずつプッシュできるようになり、楽しんで走ることができました。
路面は非常に難しいコンディションで、自分の前を走る予定だった選手達が後退し、途中で出走順が2番手になって以降は、かなり多くのルーズグラベルを掃き飛ばしながら走らなければなりませんでした。
ドライになった今日の路面は、予想を越えるコンディションでしたし、二回目に走ったステージは本当に荒れていたため、クルマとタイヤをケアしながら走る必要がありました。
明日は、今週前半にレッキをした時とは天気が大きく異なるので、今日とは全く違う展開になるかもしれません。
1本のステージはほぼ深い霧の中でレッキを行いペースノートを作成したのでとても大変でしたし、グリップが変化する場所が増えたり、湿っている場所が変わっているかもしれません。
明日のステージ情報
競技3日目となる9月11日(土)のデイ3は、ラミアのサービスパークを中心に、日中のサービスを挟んで6本のステージが行われます。
そのうち「パヴリャニ」と「エレフテロホリ」は各2回走行し、残る2本のステージはそれぞれ1回のみの走行となります。
6本のステージの合計距離は132.56kmと4日間で最長。
リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は450.38kmとなります。
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