トヨタ・チーム 第3日目リポート
Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
拡大します
2021年9月12日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ3
首位ロバンペラが4本のベストタイムでリードを拡大
オジエはクレバーな走りで総合3位の座を守る
9月11日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦アクロポリス・ラリー・ギリシャの競技3日目デイ3が、ラミアのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (ヤリスWRC 69号車)が首位の座を守り、リードをさらに拡大。
セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)は総合3位を堅守しました。
また、前日トラブルで遅れたエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は、総合7位まで順位を挽回しました。
アクロポリス・ラリー・ギリシャの競技3日目は、サービスパークを中心に6本のステージを走行。
その合計距離は132.56kmと、4日間で最長の1日でした。
ラミア周辺では週の前半に雨が降り続け、グラベル(未舗装路)のステージは全体的に湿り、多くの区間がぬかるんだ状態になりました。
その後天気は回復し、路面は日に日に乾いていきましたが、青空の下でデイ3が始まってもなお、いくつかのセクションは湿っており、ぬかるんでいる場所も多くありました。
デイ2で2本のベストタイムを記録し首位に立った20歳のロバンペラは、デイ3でさらにスピードを上げ、オープニングのSS7からSS10にかけて4ステージ連続でベストタイムをマーク。
デイ3のスタート時点では3.7秒だった総合2位のライバルとの差を39.7秒に拡げました。
その後の2本のステージには確実性を重視したアプローチで臨みましたが、それでも総合2位に30.8秒差を築いて1日を終え、首位の座をしっかりと固めました。
また、オジエはドライバー選手権を優先したクレバーな走りを続けながらも、SS11でベストタイムを記録するなど好調を維持。
総合2位のライバルとの差は9.4秒とやや開きはしましたが、総合3位を堅守し、総合4位のライバルとの差を1分29.2秒に拡大しました。
なお、デイ2で技術的な問題により大きくタイムを失い総合16位に留まったエバンスは、サービスで完璧な状態に修理されたクルマでデイ3に臨みました。
ステージの出走順が4番手とやや早かったため、理想的とはいえない路面コンディションでの走行となりましたが、安定して上位のタイムを刻み総合7位まで順位を挽回しました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今日の結果にはとても満足していますし、カッレの素晴らしいドライビングのおかげで首位を守ることができました。
最初の4本のステージで約40秒のリードを築くことができたのは、通常はコンマ数秒差の戦いであることを考えると本当に素晴らしいことです。
午後のステージでは、確実性を重視しスペアタイヤを2本搭載して走ることをカッレは選びましたが、それは非常に賢明で成長を感じさせる判断でしたし、その状態でも素
晴らしいスピードを保ちました。
セバスチャンもまた、とてもいい仕事をして3位を守りました。
チャンピオンシップを優先しあえて2位を狙う必要はないとしても、まだ順位を上げられる可能性は残っています。
エルフィンは、昨日起きてしまった問題を乗り越え、安定した走りをしてくれました。
明日もまた、楽しみな1日になりそうです。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
今朝はかなり安定した走りができました。
ものすごく速かったわけではありませんが、後続のライバルとの差を拡げ総合3位をより確実なものにするという、今日の自分達の目標を達成するには十分でした。
もし、明日表彰台に立つことができれば、それはタイトル争いにおいて大きなステップになります。
カッレは午前中とても速く大きなリードを築きましたが、それは本当に素晴らしいことです。
自分としては、午後のループステージの方が好調でした。
総合2位との差はそれほど大きく開いていないですし、プレッシャーをかけ続けることも重要です。
明日、リスクを冒して戦うのは賢明ではありませんが、まだ長い距離が残っているので、何かが起きる可能性はあります。
明日は誰にとっても新しいステージですし、レッキで新たにペースノートを作成した際はほぼ霧の中だったので、そう簡単には行かないでしょう。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
今日はいい一日になり、ドライビングを楽しむことができました。
上位争いに加わることができないのは、やはり残念ですが、それでもできる限り順位を上げようと頑張ったので、その点については目標を達成できたと思います。
さらなるポジションアップは、上位の選手とのタイム差が大きいため自力では難しい状況ですが、トライはしてみるつもりですし、できるだけ多くのポイントを獲得したいと考えています。
そして、明日はできればパワーステージでもボーナスポイントを加算したいと思います。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
今日の最初のループステージはとても楽しむことができました。
4本のステージはどれも難しかったので、大きなタイム差がついたことに少し驚きましたが、自分でも良い走りができたと思います。
また、他の選手と異なるタイヤを選択したことも正解だったと思いますし、ハードタイヤでの走行には少し自信がありました。
二回目のループステージでは、荒れた路面コンディションに対応するためセットアップを少し変更したところ、トラクションをかなり失ってしまいましたが、それでも十分良かったですし、愚かなミスをせず賢く戦うことができました。
ラリーのフィニッシュまではまだ長い道のりが残っているので、明日も頑張りたいと思います。
明日のステージ情報
最終日となる9月12日(日)のデイ4は、ラミアのサービスパークを起点に、日中のサービスなく3本のステージが行われます。
全長23.37kmのSS13「タルザン1」はアクロポリス・ラリーの歴史的なステージであり、続くSS14「ピルゴス」は今大会最長となる33.20kmのロングステージです。
そして、同じタルザンのステージながら、全長が12.68kmと短い最終のSS15「タルザン2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。
3本のステージの合計距離は69.25km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離
は347.10kmとなっています。
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