トヨタ・チーム 第3日目リポート
Toyota Yaris WRC (C)Toyota Gazoo Racing
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2022年5月22日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第4戦ラリー・ポルトガル デイ3
ロバンペラが首位に立ち、エバンスは総合2位に
勝田も総合3位につけ、GR YARIS Rally1がトップ3を独占
5月21日(土)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・ポルトガルの競技3日目デイ3が、ポルトガル北部マトジニョスのサービスパークを中心に行われ、前日総合2位のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 69号車)が首位に立ち、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合2位につけました。
また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の、勝田貴元が総合3位に順位を上げ、GR YARIS Rally1がトップ3を占めました。
なお、前日のデイリタイアを経て再出走したセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(1号車)は、再びデイリタイアとなりました。
ラリー・ポルトガルのデイ3は、一日の最後にポルト市街地で行なわれたSS16以外は、グラベル(未舗装路)のステージが舞台に。サービスパークの北東エリアを中心に7本のステージが行われ、その合計距離は164.98kmと4日間で最長でした。デイ3は午後にまとまった降雨があり、終盤のステージの一部がウェットコンディションになるなど、非常にトリッキーな路面での戦いになりました。
グラベル初日のデイ2で、不利な出走順一番手だったにも関わらず総合2位まで順位を上げたロバンペラは、デイ3では後方からのスタートに。出走順の不利がなくなったことでスピードをさらに上げ、3本のベストタイムを記録しました。
午後の最後のグラベルステージ、SS15「アマランテ2」は途中から激しい雨が降り始め、今季WRCでここまでのところ最長となるこの37.24kmのステージは、非常に滑りやすい路面コンディションになりました。
ラリー1勢の中で出走順が後方だったロバンペラとエバンスは、雨の影響を受けることになり、特に最後方スタートだったエバンスはもっとも不利な条件での走行に。
結果、このステージを2番手タイムで走行したロバンペラが、ついにエバンスを捕らえ総合1位に順位を上げました。
ロバンペラは、1日の最後の市街地ステージでもエバンスのタイムを上まわり、5.7秒差をつけてデイ3を走破しました。
一方、エバンスは午前中に2本のベストタイムを刻み、総合2位ロバンペラに対するリードを一時18.4秒に拡大しました。
しかし、午後はロバンペラほどペースが上がらず、総合2位に順位を下げることになりました。
それでもふたりのタイム差は小さく、優勝をかけたチームメイト同士の戦いは明日の最終日も続きます。
前日、総合4位に順位を上げた勝田は、総合3位のダニ・ソルド(ヒョンデ)を猛追。
エバンスとロバンペラに続く3番手タイムを4回記録するなど終日好調を維持し、SS12で総合3位に順位を上げると、デイ3最終のSS16まで順位を守り切りました。
なお、デイ2で2ステージ連続でタイヤの空気を失いデイリタイアとなったオジエは、グラベルステージでGR YARIS Rally1の経験を積むべくデイ3で再出走。
しかし、2本目のSS11でコースオフを喫し路肩にスタック。その後何とか午前中のステージを走り切りましたが、再びデイリタイアとなりました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
控えめに言っても、今日はわれわれにとって本当に興味深い一日でしたし、このような順位につけているのは素晴らしいことです。
カッレもエルフィンも、本当にいい走りをしてくれました。
ふたりともGR YARIS Rally1を乗りこなし、素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。
午前中はエルフィンが主導権を握っているように見えましたが、午後のアマランテの2回目のステージで雨が降り、状況が一変しました。
そこで素晴らしい走りをしたカッレが、首位に立ったのです。
もちろん、エルフィンは明日反撃に出るでしょうが、いつものように彼らのフェアな戦いを見たいと思います。
また、今日は貴元もとてもいい走りをしたので、明日もこの表彰台ポジションを守り、良い結果を持ち帰ってくれることを願っています。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
残念ながら、朝の2本目のステージでミスをしてしまいました。
200メートルくらい手前でハイブリッドシステムが使えなくなり、集中力が少し途切れ、次のコーナーに関するペースノートの情報を上手く聞き取れなかったのです。
その結果、オーバースピードでコーナーに入り土手に当たってスピンし、スタックしてしまいました。
午後のステージを走るために、クルマにそれ以上の大きなダメージを受けるリスクを背負うのは得策ではないと考え、デイリタイアすることにしました。
もちろん、デイ3をテストのために活用してこのクルマでの経験を積みたかったですが、明日もまだ何本かステージを走ることができます。
チームのために必要に応じてポイントを獲得する、バックアップ要員として最終日に臨むつもりです。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今朝は走りのリズムがとても良く、カッレとのバトルを楽しみました。
しかし、午後はカッレが本当にいい走りをしたと思いますし、ロングステージでの雨は我々にとって不利に働きました。
ステージの序盤は非常に強い雨が降り、想像以上に滑りやすいところも多く、何度も驚かされました。かなり変わりやすいコンディションだったと思います
。最終的にはそれほど悪くなかったですが、序盤で少し攻めすぎてしまい、それによって負ったダメージが後々響きました。
あのコンディションでカッレは本当にいい走りをしたと思います。
明日もきっといい戦いが続くと思いますので、とても楽しみです。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
本当にいい一日だったと思います。
今日もミスなくクリーンな走りができたのは、非常に重要なことです。
クルマのフィーリングがとても良かったので、常に限界までプッシュする必要はありませんでしたし、午後のステージではエルフィンに追いつくことができたので、本当にハッピーです。
ロングステージの途中で大雨が降り、しかもハードタイヤを履いていたのでかなり大変でしたが、差をつけようと一生懸命攻めた結果、努力が報われました。
このような形でトップに立てるとは思っていませんでした。
明日もきっと激しい戦いが続くと思うので、まず朝の段階でフィーリングとペースを確かめる必要があります。昨年、エルフィンは最終日の朝のステージで非常に速かったので、彼と優勝を争うためにはハードにプッシュする必要があるでしょう。
明日のステージ情報
競技最終日となる5月22日(日)のデイ4は、サービスパークの北東エリアで5本のステージを走行。
そのうちSS19/21「ファフェ」は、ビッグジャンプと大勢の観客が集うことで知られる、ラリー・ポルトガルのアイコンともいえるステージです。
最終ステージとなるファフェの2本目SS21は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。
ステージは全部で5本、合計48.87km。
リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、291.95kmが予定されています。
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