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2022/08/20

トヨタ・チーム 第1日目リポート

Toyota Yaris Rally1 (C)Toyota Gazoo Racing
拡大します

2022年8月20日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第9戦 イープル・ラリー・ベルギー デイ1
トリッキーなコンディションのターマック・ラリー初日
エバンスが総合3位に、ラッピが総合4位につける

8月19日(金)、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「イープル・ラリー・ベルギー」の競技初日デイ1が、ベルギー西部のイープルを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が総合3位に、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)が総合4位につけました。
一方、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車) はコースオフによりデイリタイアとなりましたが、デイ2での再出走を予定しています。
また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は、トラブルで大きく遅れるも総合18位につけています。

WRC開催2年目となるイープル・ラリー・ベルギーの初日は、イープル市街地に置かれたサービスパークを中心に、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。
その合計距離は97.02kmでした。

ステージは道幅の狭い農道が大部分を占め、直線をジャンクション(曲がり角)で結ぶようなジグザグとしたレイアウトが大きな特徴です。
天気は一日を通して不安定で、午前中はドライコンディションでスタートしましたが、SS4の途中から雨が降り始め、午後は降雨の予報もありましたが、雨は降らずドライコンディションが保たれました。

今季8戦5勝でドライバー選手権をリードしているロバンペラは、オープニングのSS1でベストタイムを記録するなど、好調なスタートを切りました。
しかし続くSS2で左コーナーを曲がり切れず、側溝で跳ね上げられて横転。ロバンペラとコ・ドライバーのハルットゥネンに怪我はありませんでしたが、クルマはダメージを負いデイリタイアとなりました。

ロバンペラに替わり首位に立ったエバンスは、SS4でベストタイムを記録するなど速さを示し、首位でミッドデイサービスにイン。
その後もSS6まで総合1位の座を守り続けました。
しかし、1本のタイヤにダメージを負ったエバンスは、ドライコンディションの路面ながら、スペアとして搭載していたレインタイヤを履いて何本かのステージを走ることになり、タイムをロス。
総合3位に順位を下げ、さらに最後のステージのタイムコントロールに遅着したことで10秒のペナルティを課せられ、首位と13.7秒差でデイ1を終えました。
また、このラリーにトップカテゴリーのラリーカーで出場するのは今回が初めてとなるラッピは、安定した走りで4番手タイムを5回、3番手タイムを1回記録。
8年ぶりに出場したイープルの初日を総合4位で走破し、総合5位のライバルに対しては18.8秒のリードを築いています。

勝田は、午前中のSS3で発生したトランスミッションのトラブルにより大幅にタイムを失い、午後はレインタイヤを4本用意してステージに臨むも雨は降らず、やはり大きくタイムロスしましたが、トリッキーなコースで貴重な経験を積み、総合18位で一日を終えました。

なお、SS3がスタートする直前には、GR Yaris H2が初めてWRCのステージを走行しました。
TOYOTA GAZOO Racingのカーボンニュートラルへの取り組みを示す、この実験的なクルマは、水素を燃料とするエンジンを搭載。
ドライバーとファンにとっての喜びであるサウンドやフィーリングはそのままに、ほぼゼロエミッションを実現しています。
運転は、WRCで4回世界チャンピオンに輝き、1993年にトヨタで最後のタイトルを獲得したユハ・カンクネンが担当。
非常に高いグリップ力を誇る市販タイヤ、ピレリP ZEROトロフェオRを装着してSS3を走りきり、水素を燃料とするクルマのパフォーマンスをファンに披露しました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

正直なところ、われわれにとって楽な一日ではありませんでしたが、このラリーが決して簡単には行かないということは分かっています。
アクシデントに遭遇する前、カッレは本当に力強くいいスタートを切っていました。
ラリーでは誰にでもこういうことは起こるものです。
どのようなチャンピオンであっても、1シーズンに最低1回は大きなミスをするものですが、今季ここまでカッレは8戦で8回いい成績を収めていました。
チームがクルマを修理し、今週末も彼がポイントを獲得できることを願っています。

エルフィンとエサペッカは、よくやっています。
残念ながらエルフィンは終盤にタイムを落としてしまいましたが、われわれは諦めたりしません。
難しい天気になれば、きっとチャンスが巡ってくる筈です。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

全体的には悪い一日ではなかったと思います。
午前中のステージは上手く行きましたが、午後の終盤は少し苦労しました。
午後2本目のステージの終了間際にスローパンクチャーに見舞われたのは少しアンラッキーで、残る2本のステージではレインタイヤを装着して走らなければならず、正直なところいいフィーリングではありませんでした。
最後のステージではタイムコントロールのチェックインで不運なミスがあり、ペナルティタイムを課せられてしましたが、ラリーでは時々こういうことも起こるものです。
まだ先は長いですし、明日は最長の一日なので、楽しみながら一生懸命戦い、状況がどうなるのかを見たいと思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)

今朝の路面コンディションはトリッキーで、グリップがほとんどないような状況でしたが、普通のペースで走っても全く問題がないように感じられました。
しかし、次のSS2の中盤に連続するコーナーがあったのですが、2つ目のコーナーに関しては自分のペースノートがあまりにも楽観的でした。
短いコーナーと記していたのですが、早くターンインしすぎて曲がりきれず、溝に落ちて跳ね上げられてしまいました。
かなり大きな衝撃でしたが、自分もヨンネも無事でした。
チームがクルマを修理してくれて、明日ラリーに復帰できることを願っています。

エサペッカ・ラッピ (GR YARIS Rally1 HYBRID 4号車)

良い一日だったと思います。
午前中から走りは悪くなく、クレイジーなことは何もなかったですが、特に遅くもなかったと思います。
ミッドデイサービスでクルマを改善できると思いましたし、実際それができたので、午後はより気持ちよく走ることができました。
午後は雨が降らず、多くのクルマが適切でないタイヤを履いていましたが、自分はできるだけ上手くタイヤを持たせようと走り、軟らかいタイヤを履いているドライバーの中では一番速かったので、その点については本当に満足しています。
いい順位につけていると思いますし、上位陣のスピードにはかなわないと思うので、明日も今日と同じようなアプローチで戦うつもりです。

明日のステージ情報

競技2日目となる8月20日(土)のデイ2は、イープルのサービスパークを中心に半時計回りで4本のステージを走行。
ミッドデイサービスを経て、午後も同じステージを再走します。
そのうち全長22.32kmのSS12/16「ホレベーケ」は、今大会最長となるステージです。
8本のステージの合計距離は133.22kmと三日間で最長。リエゾン(移動区間)も
含めた一日の総走行距離は269.05kmとなります。

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