トヨタ・チーム クロアチアラリー第3日目リポート
2023年4月24日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第4戦 クロアチア・ラリー デイ3
エバンスが今シーズン初勝利を獲得
ロバンペラは総合4位、オジエは総合5位でフィニッシュ
4月23日(日)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦クロアチア・ラリーの最終日デイ3が、クロアチアの首都ザグレブを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が優勝。
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が総合4位で、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合5位でフィニッシュしました。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合6位でラリーを終えました。
クロアチア・ラリーのデイ3は、ザグレブに置かれるサービスパークの北側エリアで、2本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は54.48km、リエゾン(移動区間)も含
めた一日の総走行距離は374.52kmと3日間で最短の一日でした。前日に続き天気は良く
、路面は全体的にドライコンディションでしたが、湿っているセクションや、掻き出さ
れた泥で非常にトリッキーなコーナーもありました。
デイ2で首位に立ったエバンスは、総合2位のオィット・タナック(ヒョンデ)に対し25.4秒という十分なリードを築いていたため、最終日は確実性の高い走行を実施。
オープニングのSS17で3番手タイムを記録して差を30.5秒に拡げ、最終的には27秒差をつけて、2021年のラリー・フィンランド以来となる優勝を果たしました。
エバンスにとってはWRC通算6勝目、TGR-WRTに加入後5回目の優勝でした。
なお、コ・ドライバーのマーティンは、2014年から2018年にかけて、ラリー前に逝去されたクレイグ・ブリーン氏のコ・ドライバーを務めWRC初表彰台を獲得しました。
エバンスとマーティンは、表彰台に立ったラリーの仲間たちと共に、今回の結果をブリーン氏に捧げました。
オジエとロバンペラはデイ2で激しい総合4位争いを展開し、オジエが2秒差でリード。
しかしデイ3最初のSS17でベストタイムを刻んだロバンペラが総合4位の座を奪い、さらにSS19でもベストタイムを記録。
最終的に9.7秒差でオジエを抑え、総合4位を獲得しました。
なお、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終の「パワーステージ」では、ロバンペラが2番手タイム、オジエが3番手タイム、勝田が4番手タイムを記録しました。
その結果、ドライバー選手権ではオジエとエバンスが同ポイントでトップに並び、ロバンペラは彼らと1ポイント差の3位につけています。
また、通常マニュファクチャラー選手権は1チームにつき3人をポイント獲得対象ドライバーとして登録することができますが、今大会ではブリーン氏が所属していたチームとの連帯の意味も込めて、ロバンペラとオジエの二人のみを登録。
TGR-WRTは29ポイント差で首位を守りました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリー界にとって厳しい1週間でしたが、最も重要なのは、クレイグが望んでいたに違いない、安全にラリーを行い、良い戦いをすることができたことです。
私個人としては、エルフィンとスコットは、このような状況でこのラリーを制するにふさわしい、素晴らしいペアだったと思っています。
彼らはクレイグの友人であり、スコットは以前クレイグのコ・ドライバーとして共に初表彰台を獲得しました。
このラリーに臨むのは簡単なことではなかったはずですが、彼らは素晴らしい仕事をしましたし、勝利に値する戦いでした。
再び優勝できたことは、彼らにとって大きな意味があると思います。
また、カッレとセブが金曜日に問題に遭遇しながらも、チームに十分なポイントをもたらしてくれたことを嬉しく思います。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
リザルトに関してはそれほど良い週末ではありませんでしたが、自分たちにできることはやれたと思います。
セブと素晴らしいバトルができましたし、その戦いに勝つことができたことは悪くありません。
もちろん、4位争いはしたくなかったですが、金曜日の時点ではそれが精一杯でした。
この週末はいいスタートを切ることができず、セットアップで小さなミスをしてしまいましたが、その後クルマは良くなったので、チームに感謝します。
パワーステージではハードにプッシュし、十分なポイントを獲得することができました。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
もちろん、再び勝利を得るために長い間頑張ってきましたが、今この瞬間はあまり意味がないように感じてしまいます。
みんなにとって厳しい1週間でしたが、WRCファミリー全体が一丸となってクレイグに敬意を表したことは誇りに思います。
競技はいつも通り行われましたが、きっと彼もそれを望んでいたはずです。
金曜日は、自分たちの出走順では路面が汚れていたこともあり、このラリーで勝つことは少しハードルが高いように思いましたが、他の選手たちがトラブルに見舞われたこともあり、優勝争いをするチャンスが巡ってきました。
スコットと私は、クレイグの家族にこの週末を楽しむことを約束していましたが、それを実行することができました。
ラリーは終わりましたので、改めてクレイグの家族に哀悼の意を捧げます。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
厳しい1週間でした。
スポーツの観点からは、もっといいリザルトを残すことができるペースがあったと思いますが、この週末は思い通りに行きませんでした。
ただし、モータースポーツというのはそういうものです。
今日はかなり苦労しましたが、カッレは本当に速かったですし、最終日に関しては彼ほどのペースが私にはなかったと言わざるを得ません。
それでも、パワーステージは狙っていたのですが、誤ったタイヤ戦略をとってしまい、ステージ中に息を呑む瞬間が何度かありました。
ですので、フィニッシュラインを通過し、チームにポイントをもたらすことができて良かったです。
次回のイベント情報
WRC次戦は、5月11日から14日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される第5戦「ラリー・ポルトガル」です。
ポルトガルは今シーズン2回目のグラベル(未舗装路)ラリーとなり、ステージを1回目に走行する際は路面は砂に覆われていますが、2回目の走行では砂が掃けて下から硬い岩盤や石が現れるなど、路面のコンディションが大きく変化するのが特徴です。
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