トヨタ・チーム ケニヤラリー第2日目リポート
2023年6月24日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company
WRC 第7戦 サファリ・ラリー・ケニア デイ2
4本のベストタイムを記録したオジエが首位に
ロバンペラが総合2位に、エバンスが総合3位につける
6月23日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」
の競技2日目デイ2が、ケニアのナイバシャを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing Worl
d Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 HYBRI
D 17号車)が首位に立ち、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)が
総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位につけ
ました。また、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで
出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合5位につけています。
前日の木曜日にナイロビでスタートしたサファリ・ラリーは、金曜日からケニアの大地
、サバンナでの本格的な戦いがスタート。サービスパークが置かれるナイバシャ湖の周
辺で3本のグラベル(未舗装路)ステージを各2回走行し、その合計距離は125.82kmでし
た。ナイバシャ湖の周辺は一日を通して雲が多く、気温もあまり上がりませんでした。
しかし、心配されていた雨は降らず概ねドライ路面での戦いになりました。
前日デイ1のスーパーSSで2番手タイムを刻み総合2位につけたオジエは、デイ2最初のSS
2「ロルディア」で、2番手タイムのロバンペラに7.5秒差をつける圧巻のベストタイム
を記録し、首位に立ちました。ロバンペラは、不利な先頭スタートだったにも関わらず
2番手タイムにより総合2位に順位を上げましたが、オジエは続くSS3「ジオサーマル」
でセカンドベストタイムを刻み、ロバンペラに対するリードを11.9秒に拡大。しかし、
午前中最後のSS4「ケドング」ではオジエがハイブリッドブーストを得られずにタイム
ロス。一方、ロバンペラはベストタイムを記録し、首位オジエとの差を一気に2.5秒ま
で縮めました。
午後のステージでは他のドライバーがスペアタイヤを2本搭載したのに対し、オジエは
軽量化をはかるため1本のみ搭載。午後の3本のステージ全てでベストタイムを記録し、
総合2位ロバンペラに対するリードを22.8秒に拡げてデイ2を締めくくりました。また、
堅実な走りを続けたエバンスはロバンペラと20.7秒差の総合3位に。総合4位のエサペッ
カ・ラッピ(ヒョンデ)に対して10.5秒差をつけ、TGR-WRTはトップ3体制を築きました。
なお、勝田は荒れた路面のステージで奮闘。クルマにいくつかダメージを負いながらも
一日を走りきり、ラッピと25.4秒差の総合5位で一日を終えました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
我々の選手とクルマが今日一日を乗り切ってくれて、とても満足しています。彼らのパ
フォーマンスは高く、トラブルにもそれほど遭遇しませんでした。また、クルマも全車
がいい走りをしました。このようなハードなイベントでは忍耐が重要です。あちらこち
らで数秒をロスしたとしても、おそらくそれによって結果が決まるわけではないので、
あまり心配する必要はありません。セブは午後のステージにスペアタイヤを1本しか搭
載しないという決断を下し、路面に気をつけて走ることさえできれば、報われる可能性
があることを示しました。フルデイの初日は終わりましたが、明日のステージはより荒
れていて石も多くあるので、誰にとってもタフな一日になるでしょう。通常ならば、明
日はより多くのドラマが起きると予想されますが、今日のようなクリーンな一日となり
、乗り切れることを願っています。
カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
とても満足できる一日でした。ループの3本のステージのうち最初のステージは、路面
にルーズグラベルが多く、それを掃き飛ばして走らなければならず一番苦労しました。
続く2本目のステージはよりハイスピードで、ハードにプッシュできると感じました。
そして、午前中最後のステージではクレバーなドライビングができたと思いますし、と
てもいいタイムを出すことができました。午後の再走ステージでは、最初のステージで
思った以上にタイムをロスしてしまいました。路面が乾いてきて滑りやすくなり、セッ
トアップがうまく合いませんでした。その後はいいペースを保つように努め、それほど
タイムをロスしないで済みました。もちろん、もう少しトップに近づきたいですが、明
日はまだ長い一日ですし、路面は今日よりもさらに荒れていると思うので、トラブルに
巻き込まれないように走りたいと思います。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
私たちにとってはまあまあ安定した一日で、問題なく乗り切ることができました。もち
ろん、もう少し速く走ることができた方が良かったですし、今思えば、路面のコンディ
ションがそれほど荒れていなかった午前中なら、もう少しリスクを冒せたかもしれませ
ん。しかし、前に走ったクルマによって掘り出された岩が多くあり、スピードと安定性
のバランスを取るのがとても困難でした。午後は全体的に良かったですが、長いケドン
グのステージは大きな穴や石が多く、どの程度ハードに攻めるべきか判断が難しかった
です。まだ先は長いですし、明日はきっとタフな一日になると思うので、どうなるか様
子を見たいと思います。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
とてもいい、完璧に近い一日でした。非常にいいペースで走れましたし、首位に立つこ
とができてハッピーです。今朝は最初の2本のステージでプッシュしましたが、楽しん
で走ることができました。3本目は、砂の中から岩がたくさん出てきて、いつも少し恐
怖を感じるステージです。そして、数キロ走った走ったところでハイブリッドブースト
を失い、パフォーマンスに影響が出てしまいました。午後は、スペアタイヤ1本で走る
ことが可能だと感じ、クリーンでスムーズなドライビングをすれば、軽量であるアドバ
ンテージを生かして速く走れると思いました。そして実際、それが功を奏したのでとて
もハッピーです。ケニアで大きなタイムロスをすることなく金曜日を乗り切ったのは初
めてだったので、非常に難しいステージが待ち受ける明日もこの調子で走り切りたいと
思います。
明日のステージ情報
競技3日目となる6月24日(土)のデイ3は、サービスパークの北側に位置するエレメン
タイタ湖の周辺で「ソイサンブ」、「エレメンタイタ」、今大会最長となる31.04kmの
「スリーピングウォーリアー」という3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回
走行します。6本のステージの合計距離は150.88kmと4日間で最長、リエゾン(移動区間
)も含めた一日の総走行距離は405.74kmとなります。
| 固定リンク