« WRC:Rd.9:フィンランドラリーDay3結果(SS.18/21) | トップページ | WRC:Rd.9:フィンランドラリーDay4結果(最終:SS.21) »

2023/08/06

トヨタ・チーム フィンランドラリー第3日目リポート

2023年8月6日
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company

WRC 第9戦 ラリー・フィンランド デイ3
首位エバンスが7本のベストタイムでリードを拡大
勝田は激戦の末、総合3位の座を守る

8月5日(土)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」の競
技3日目デイ3がユバスキュラのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing
World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1
HYBRID 33号車)が総合1位、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合3
位、スポット出場のヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組(97号車)が総合5位に
つけ、前日までの順位を守りました。なお、デイ2でコースオフを喫したカッレ・ロバ
ンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、クルマのダメージが大きくデイ3での
再出走を断念。リタイアとなりました。

ラリー・フィンランドのデイ3は、サービスパークの南西エリアが戦いの舞台となり、
「ヴァスティラ」「パイヤラ」「ラプスラ」「ヴェックラ」という4本のステージを、
ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は160.68kmと、4日
間で最長の一日でした。デイ3もまた天気は安定せず、午前中は時々降る雨により路面
は全体的に湿った状態に。しかし、午後は天気が回復して青空も広がり、路面は急速に
乾いていきました。

前日のデイ2で首位に立ったエバンスは、トリッキーなコンディションとなったステー
ジで朝から速さを発揮。午前中の4本のステージ全てでベストタイムを記録し、総合2位
のティエリー・ヌービルに対するリードを6.9秒から、17.7秒にまで拡大しました。さ
らに、ミッドデイサービスを経て行なわれた午後の再走ステージでもエバンスの勢いは
止まらず、3ステージ連続でベストタイムを記録。特に、SS15では2番手タイムの選手に
7.8秒という大差をつける圧巻のスピードを発揮しました。エバンスはデイ3の全8ステ
ージのうち、7ステージでベストタイムを記録することとなり、32.1秒という大きなリ
ードを築いてデイ3を走破しました。

デイ2終了時点で総合2位のヌービルと9.5秒差の総合3位につけていた勝田は、午前中2
本目のSS12でスピン、15秒程度タイムを失い、総合4位に後退しました。しかし、その
後も勝田は攻めの走りを続け、3ステージ連続で3番手タイムを記録。総合3位に順位を
上げたテーム・スニネンを激しく追い上げ、午後1本目のSS15で総合3位に復帰しました
。続くSS16では0.3秒差で再び順位が入れ替わりましたが、SS17では3番手タイムで差は
0.1秒に。そして、デイ3最終のSS18では渾身の走りで今大会2度目となるベストタイム
を記録し、スニネンに6.4秒差をつけて総合3位に復帰しました。また、2019年以来のラ
リー・フィンランド出場となるラトバラは、デイ3でも非常に安定した走りを続け、総
合5位の座を維持しています。なお、デイ2で首位を走りながらも横転したロバンペラは
、シャシーのダメージが大きく、ラリー期間中に修理をできないことから、今大会から
リタイアすることになりました。

豊田 章男 (TGR-WRT会長)

今日のエルフィンの走りは素晴らしいものでした。残念ながらカッレは今朝再スタート
することができませんでしたが、エルフィンの素晴らしい走りがチームに大きな力を与
えてくれました。ここフィンランドの道で、彼は自信を持ってクルマをドライブしてい
ると思います。走れば走るほど自信が深まり、運転をより楽しめるようになっていく姿
を見るのは、とても嬉しいことです。貴元は一日を通して激しい戦いを続け、特に最終
ステージでは良き友人であるカッレから、滑りやすいコンディションでの走りかたにつ
いてアドバイスを受けて走ったようです。私たちのドライバーがお互いを助け合いなが
ら戦っていることを、とても誇りに思います。ヤリ-マティはステージ走行後のインタ
ビューでたくさんお喋りしていますが、それは彼がラリーを楽しんでいるということな
ので、いいと思いますし、彼の笑顔を見ると私も楽しくなります。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

今日はフィーリングが良く、クルマも良く走ってくれました。プッシュする自信もあり
ましたし、必要に応じてクリーンなドライビングに集中することもできました。特に最
後のステージは難しいコンディションでしたが、全てをコントロールできていたと思い
ますし、もちろんこの順位で一日を終えることができて嬉しく思います。今日は世界最
高ともいえるステージを含む、素晴らしいステージを走りましたが、このようなコンデ
ィションでも思い通りに走れるクルマに仕上っていたのは素晴らしいことですし、2021
年にここで味わったいい感覚を思い出させてくれました。しかし、明日もまだそこそこ
長い距離を走るので、この順位を保ったままフィニッシュするために何をすべきかに集
中しています。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)

今朝はまだ雨がかなり降っていてトリッキーでした。1本目のステージはグリップを見
極めるのに苦労し、2本目はより良いドライビングを心がけたのですが、小さなミスで
タイムをかなり失ってしまいました。その後、反撃を試みましたがタイム差は非常に小
さく、各ステージでコンマ数秒しか稼ぐことができませんでした。それでも、最後のス
テージが難しいコンディションになることはわかっていたので、できる限りプッシュす
ることにしました。もちろんリスクはありましたが、少しでもタイムを縮めることがで
きれば、明日に向けてより良いポジションを確保できると思って攻めました。明日も大
きなチャレンジになると思いますが、ベストを尽くして戦います。

ヤリ-マティ・ラトバラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 97号車)

今日も楽しい一日でした。ヤムサ周辺のステージは道幅が広く、ハイスピードで、流れ
るようなコーナーが続き、多くの観客がいて雰囲気も最高でした。雨が多く降ったので
コンディションは少し難しかったですが、それでも概ね走りを楽しむことができました
。最後のステージはまるでサファリ・ラリーのようで、深い轍には雨水があふれ、フロ
ントガラスには泥がたくさんつきました。それでも、ステージではたくさんの人たちが
応援してくれて、『よくやっているよ』と言ってくれるのは嬉しいものです。彼らの声
援が私を後押ししてくれるのは素晴らしい気分ですし、このまま明日のフィニッシュま
でそれが続くことを願っています。

明日のステージ情報

競技最終日となる8月6日(日)のデイ4は、前日に続きサービスパークの南西エリアが
戦いの舞台に。「モクシ-サーロイネン」「ヒモス-ヤムサ」の2本のステージを、ミッ
ドデイサービスを挟むことなく各2回走行します。SS19/21「モクシ-サーロイネン」は
昨年大会の逆走ステージとなり、SS20の再走となる最終のSS22「ヒモス-ヤムサ2」は、
トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイ
ントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で4本でそ
の合計距離は51.64km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は309.61kmとなりま
す。

|

« WRC:Rd.9:フィンランドラリーDay3結果(SS.18/21) | トップページ | WRC:Rd.9:フィンランドラリーDay4結果(最終:SS.21) »